維新の会が空気読めなさ過ぎたのでその理由について考えてみる
すっかり政治の面白さに魅了されてしまった私ですが、ここ最近の日本維新の会の空気の読めなさ加減が度を越えているので、その理由について考えてみました。
目次
- 維新の会についてのイメージ
- 維新の会の代表代行に就任した前原誠司氏
- 予算案の自公維の三党合意について
- 大阪万博という大事なイベントを控えている
- 現在の維新は橋下徹氏の意向を強く受けている
- 最後に
維新の会についてのイメージ
そこまで政治に詳しくない私が持っている維新の会のイメージですが、維新の会といえば、大阪を活動拠点とする大阪維新と、その国政版である日本維新の会の2つがあり、大阪維新という言葉が強すぎて、日本維新の会といっても、大阪と密着している政党というイメージが払拭できず、結局、大阪以外に勢力を伸ばせずに党勢拡大に苦心している政党、というイメージです。
創始者である当時の橋下徹大阪府知事や、その次の松井一郎大阪府知事の時代は、この二人の発信力が強く、党勢拡大に寄与していましたが、この二人が退いたと同時に徐々に萎んでいき、それが結果として現れたのは昨年の衆議院選挙でした。
衆議院選挙後、党の代表が現在の吉村洋文大阪府知事になり、党内人事を一新していたのは記憶に新しいと思います。
維新の会の代表代行に就任した前原誠司氏
さて、そんな維新の会の人事で一番驚いたのは、代表代行に就任した前原誠司氏です。
政界のキングボンビーとして名を轟かす前原氏ですが、維新に移ってすぐに代表代行に抜擢されたのは、素直に驚きました。
そんなことあるのか、と未だに信じられない気持ちですが、聞くところによると、正式な手続きを経ずに就任したようなので、これから分かるのは、昨年の衆議院選挙後、維新の会が、相当、追い詰められていた状態だったことが見て取れます。
大阪府知事が代表で国会の対応はどうするのかと思ったら、前原氏に一任されていたようで、吉村府知事は最後にちょっとだけ顔を出して、党としての体裁を整える、という感じでした。
民主党の頃から、度々、前原氏の名を聞いていて、政治家としてはかなり優秀なんだろうな、というのが率直な私の感想です。
ただし、その優秀はあくまで政治家としての優秀さであり、これまでの動きを見ると、党の方針や国民の声よりも、自分のやりたいことを優先する性格であることが伺えます。周りの被害を考えずに一人で突っ走る傾向があり、優秀であるが故に周囲との摩擦が増え、最終的に周りがカバーできなくなって、色々なものが崩壊していく、というのが前原氏がキングボンビーとして言われる所以ではないでしょうか。
そんな前原氏と親しいのが、維新の会の創設者である橋下徹氏です。
維新の会の代表代行に正式な手続きを経ずに前原氏が就任したのは橋下氏の意向である、という話をよく聞きますが、これは多分、本当のことで、ReHacQで吉村大阪府知事が前原氏の代表代行就任は自分が決めた人事であると述べていましたが、その時の説明は、自分の言葉で喋っているようには見えなかったので、橋下氏の意向が強くあったのは、おそらく間違いないでしょう。
そもそも、それまで繋がりのなかった吉村大阪府知事と前原氏が、過去の実績があるとはいえ、大事な党の運営を前原氏に一任するほど、信頼関係を築くような時間や出来事はありませんでした。
予算案の自公維の三党合意について
高校教育の税負担化(無償化)で予算案の賛成に周り、減税を潰した維新の会ですが、国民の多くが、この空気の読んでいない行動に唖然としたかと思います。
それが政治であると言えば、それまでですが、この空気の読んでいない行動の理由は一つで、維新の会の目線は国民の方を向いていませんでした。
では、誰に向いていたのかというと、維新の創設者である橋下氏であることは、ここ最近のXでの発言やテレビでのコメント、さらに人事への介入を考慮すると、彼以外にはなく、維新の会は、党の存続をかけて、国民ではなく、橋下氏を見て政治をしていたことになります。
橋下氏は今回の自公維の三党合意をべた褒めしていましたね。
飲み食い政治を批判していたので、その最たる今回の三党合意も批判するのかと思ったら、これは彼的にはOKなようです。
政治ジャーナリストの田崎史郎氏が自民党と維新は縦横斜めにパイプがあって、信頼関係が合った、と自慢げに語っていましたが、それは飲み食いによって形成されたパイプであって、言い方を変えればズブズブという表現になり、そういうのは止めましょう、というのが、最近の風潮なのかと思っていました。
というか、維新の会の源流は自民党なので、古い政治から抜け出せない要因もそこにありそうです。
大阪万博という大事なイベントを控えている
もう一つ、維新の会が予算案に合意した要因として、大阪万博が控えているから、というのが巷では指摘されています。
これについてはどこまでが本当なのか、と、正直、疑わしいと思わないでもありませんが、維新の会の代表が吉村大阪府知事なので、国と大阪で関係を悪くしたくないという思いがあったことは否めず、万博が上手くいくかどうかに関わらず、可能であれば、国に恩を売っておきたい、といったレベルではないでしょうか。
大阪万博自体は国を背負った大事なイベントなので、みんなで協力して成功させないといけないイベントで、東京オリンピックがそうであったように、始まる前は色々なことを言われますが、一度、始まってしまえば、ある程度は成功すると思っています。
なので、大阪を地盤に持つ維新の会としては、今回の減税潰しによって得た果実としては、十分だったということになり、維新の会に所属する議員の多くは大阪選出なので、与党と予算案に合意した行動も致し方ありません。
現在の維新は橋下徹氏の意向を強く受けている
さて、そんな維新の会ですが、上記で述べたことから分かる通り、創設者で今はテレビコメンテーターの橋下徹氏のラジコン党になってしまっています。
衆議院選挙前の馬場体制化では橋下氏と距離があり、橋下氏の古巣への批判などで、大きく党勢を削られたわけですが、それが橋下氏の意向を強く受けるような体制となった今、勢いを取り戻すことができるのかどうか、今後の動向が気になる存在になりました。
個人的には大阪に縁もゆかりもなく、減税を潰された恨みしかないので、批判はすれど応援することはありませんが、自民党がそうであるように、与党に近づくのあれば、ちょっとやそっとではグラつかない強固な地盤や、党の結束といったものが必要です。
国民民主党との違いはここで、国民民主党は党の結束は固いですが、支持基盤はそこまで盤石ではなく、逆に維新の会は、大阪という強固な地盤は持っていますが、党の中はゴタゴタしていて、とても所属議員の意識が統一されているとは思えません。
これがどう出るかは、この後すぐにある参議院選挙で、もしかしたらすぐに結果が見られるかもしれませんね。
最後に
最後に維新の会がめちゃくちゃ空気が読めない行動を取っている理由をまとめると、以下の通りです。
- そもそも空気を読めない前原誠司氏の政治生命をかけた国民にとって迷惑でしかない行動
- 国民ではなく橋下徹氏に褒められたい維新の会
- 大阪万博が控えているので国に恩を売っておきたい吉村洋文大阪府知事
ちょっと言葉にトゲがあるのは減税を潰された側の私の感情が含まれているので、大目に見て頂ければと思います。お金の恨みは一生と言いますからね。これくらいは許して頂きたいです。