2024.11.2

衆議員選挙での国民民主党の大躍進に思うこと

ただいま絶賛大フィーバー中の国民民主党ですが、正直な話、衆議員選挙が始まる前は、公示前から4倍もの議席を獲得するとは夢にも思っていませんでした。

国民民主党といえば、直近では政策面でのトリガー条項の協議離脱、一部議員の離党による議員数減など、正直、あまり活躍できておらず、言っていることは至極まともだけど、大丈夫かな、くらいの認識だったのですが、選挙が進むにつれ、日増しに期待が高まっていっていたのは記憶に新しいところです。

かくいう私も比例は国民民主党に投票したのですが、なぜ国民民主党がここまで人気になったのか、自分の経験をもとに分析してみたいと思います。

と、その前に、政治にほとんど興味のない一般人なので、各政党の認識が以下の通りであることを先に述べておきます。

目次

  • 自由民主党(自民党)
  • 公明党
  • 立憲民主党
  • 日本維新の会
  • 国民民主党
  • その他の政党(れいわ新選組、日本共産党、参政党、日本保守党、社会民主党)
  • 国民民主党が大躍進した理由
  • 今後に期待すること

自由民主党(自民党)

現役世代から搾取して高齢者にバラまき、それで票を荒稼ぎしているステレオタイプの政党。

政権を担っていた期間が長く、長期政権になって安定しやすいが、ちょっとでも長くなると、すぐに調子に乗って大炎上する。頭をすげ変えて選挙を行えば、それまでの問題を棚上げできると考えているため、いつまで経っても反省せず、定期的に大炎上を繰り返している。

問題が起こるたびに腐敗しているのではないか、と思う人がいるかもしれないが、問題がそのまま残っている状態なので、昔も今もずっと腐敗したままである、という表現が正しい。

今回の裏金のように大炎上しても結構な票数を獲得しているのは、組織票の強さの現れか。

また、他の党との約束を反故にする裏切りムーブを多用し、日本という国よりも自民党という組織の都合を優先しているため、自分たちに投票してくれる国民以外のことを非国民と思っているふしがある。

公明党

創価学会の創価学会による創価学会のための政党。

正直、どういう党でなにがしたくて国政の党として存在しているのかまったく分かっていない。

ただし、給付金のバラマキを公約に入れているため、その視線がどこを向いているかは言うまでもない。

立憲民主党

政権与党である自民党を批判することを生きがいにしているため、与党としての自民党がいなければ存在することができない政党。

2009年から3年ほど政権を担っていた議員が多数在籍しているが、政策を見る限り、そのことを忘却し、完全に開き直っている(ように見える)。

政権交代こそ最大の政治改革と謳っているが、本当のところは政権交代とかせずに、政治責任のない安全なところでヤジを飛ばして楽をして収入を得たいと思っている、という疑いがぬぐい切れない。一部の議員は本当に政権交代を願っているかもしれないが、党全体としては、まったく本気度を感じない。

ついでに紙の保険証を残すといっていることからも分かる通り、高齢者をターゲットにしている政党なので、現役世代は視界に入っていない。

日本維新の会

日本維新と名乗っているが、大阪維新のイメージが強すぎるため、「維新」という言葉の方にどうしても大阪のイメージを強く感じ、それに引きずられて、大阪から出ることができない政党。

大阪に縁もゆかりもないので、正直、なにがしたい政党なのか分かっておらず、私がそうであるように、多くの人が同じ意見ではないだろうか。

維新の会といえば、以前の橋本代表や、松井代表の頃のイメージが強く、この2人の知名度が高かったので、大阪以外でも票数を延ばせたのだと思うが、2人とも退いた後なので、ここが正念場なのかもしれない。

国民民主党

言っていることはすべての政党の中で一番まとも。ただ、まともであるが故に地味。

党の略称が民主党で、立憲と同じで紛らわしいと誰もが感じているが、個人的には、今回の選挙で初めて、民主党といえば国民民主党の方であると、立憲を上回ることができている。また、国民民主党と立憲民主党の考えというか理念が、まったく別物で、完全に別の政党であることを初めて知った。

YouTubeへの取り組みや、103万円の壁を見直すという政策を掲げていたことから分かるように、現役世代をターゲットにした政策が多い印象。

その他の政党(れいわ新選組、日本共産党、参政党、日本保守党、社会民主党)

よく知らないけど、選挙時の党首討論やたまに流れてくるニュースなどを見る限り、どこも一癖二癖あって、なんだかヤバそうな政党。

あと、どの選挙区にも共産党の候補がいるのが、なんか怖い。

国民民主党が大躍進した理由

各政党の認識は上記に述べた通りですが、今回の衆議院選挙で国民民主党が議席数を公示前から4倍に伸ばして大躍進したのは、自民党の裏金問題が当然ベースにあるとして、選挙前のYouTubeへの取り組み、政策として103万円の壁の見直しを掲げたこと、選挙中の著名人との対談や、Live配信による党内の雰囲気が良かった点が、理由として挙げられます。

一つ一つ細かく見ていくと、投票先の政党については、自民党の裏金問題がクローズアップされていたので、自民党は言うに及ばず、連立を組んでいる公明党も選びにくいので、自然と野党へ投票する人が多く、では、野党の中でどこを選ぶかというと、批判色の強い立憲民主党は与党になられてしまうと政治が荒れることが容易に想像でき、大阪を重視してそうな日本維新は大阪以外の人は選びにくく、それ以外の残りの政党から選ぶしかありません。

与党に加えて、野党の第1党、第2党が選べず、残りの政党はどこも少数で、国民民主党以外の政党が一癖も二癖もあるので、消去法で行くと、国民民主党が投票先となります。

ただ、その状況だけではここまで人気にはなりません。

選挙期間中、国民民主党への支持は日を追うごとに増えていった認識ですが、私の場合、きっかけは党首討論と著名人との対談でした。

党首討論での玉木代表による毅然とした態度と自信にあふれる言葉に加えて、著名人との対談では、政策への問いに対する的確な回答と、親しみやすい人柄が見えて、親近感を覚えた人は多いと思います。

さらに選挙期間中の街頭演説では、自民党の裏金の話は最低限に抑え、多くの時間は、手取りを増やすという、党の政策を訴えることに傾け、その内容が身近で現実的な政策で、かつ、その中でもとりわけ、103万円の壁の見直しは、見直さないほうがおかしいというレベルだったこともあって、多くの人に共感をもたらしました。

世間的に賃金上昇というワードを度々効くようになりましたが、これを実感している人はごく僅か。反面、物価高に加えて毎年上がる社会保険料、手取りは減っているのに、景気が良くなっているみたいな報道が多く、違和感を覚えている人が多いという下地があった中での、国民民主党の「手取りを増やす」というキャッチフレーズは、現役世代に向けてドンピシャで刺さったと思います。

また、同じような減税対策として、消費税減税や軽減税率の撤廃がありますが、こちらの政策は選挙がある度に出てくる話で、これを聞いても、新しさを感じず、どうせ実現できないでしょ...という諦めムードがあるので、ここまでの反響を得られなかったと思います。

その証拠に選挙後の報道は、103万円の壁の見直し一色で、各党、各議員、さらには誰とも知らないコメンテーターなどなど、総じて、これは見直すべきもの、といった意見で一致しているように見受けられます。各政党からは、我々も考えていた、という話を後だしでしていますが、今さら言われても、という感じです。本当のことだとしても、そこにスポットライトを当てた国民民主党の戦略勝ちでしょう。

話を大躍進した理由に戻しますが、YouTubeの動画で上記の手取りを増やす政策を訴える街灯演説を見て、あれ、国民民主党なんかいいね、と思った人は、私がそうだったようにかなり多かったと思います。

そこで国民民主党を知った人は、彼らがYouTube上で積極的に活動していることを知り、玉木代表や榛葉幹事長の人となりだったり、榛葉幹事長の笑える記者会見の切り抜き動画や、党のLive配信で一致団結して選挙に取り組んでいる姿など、ちょっと今までにない政党であることに気がつきます。

そこからさらに深堀りしていくと、玉木代表は国民民主党の顔だけど、榛葉幹事長の人間力がすごい、というところに行きつき、玉木代表と榛葉幹事長の関係性など、見ていて、ファンになった人は多く、そういった人たちが行動した結果が、今回の選挙結果につながったのだと思います。

また、選挙の前段として、前原議員が離党していたことも大きかったと思います。彼がいるとどうしても以前の民主党を知っている人は素直に応援できなかったので、議員数が減ったとはいえ、手放しで応援できる状態となったことは、意外に今回の大躍進につながる大前提だったのではないでしょうか。

今後に期待すること

そんな国民民主党ですが、もちろん、これからも頑張ってほしいと思っています。

結党以来、各党と等距離で、政策ごとに協議するというスタンスがブレていないことも好感が持てるので、いつか曲げないといけないことがあるのだとしても、可能な限り、続けてほしいですね。

今後、党勢拡大する上で懸念があるとすれば、いきなり注目される状態となったので、失言やスキャンダルが出てしまわないか、ということ。

いきなりでかいスキャンダルが来ると、致命的で、党が空中分解しそうな気がするので、あったとしても軽めのものであってほしいです。

また、今後、テレビや新聞などのマスメディアでの活動を広げるのであれば玉木代表以外にも、政策を議論できる人材の発掘は急務でしょう。玉木代表以外の議員をテレビで拝見すると、そういった場に慣れていないせいもあるのか、ちょっと危うい感じがしました。

マスメディアの露出は制限して、あくまでYouTubeでの活動をメインにするのも一つの手で、4倍に議席を増やしたとはいえ、まだまだ、少数政党なので、地道な足場作りが大切です。

なんにせよ、人気が出た国民民主党の次のテーマは志を共にする仲間づくりと人材発掘になるので、来年の参議院選挙が楽しみですね。

今回の件を機に、国民民主党から立候補したい人も出てくるでしょうから、そこでどれだけ活躍できるのか、で、党の存在意義が確立されそうな気がします。

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