2017.7.15
2019.8.27

契約社員(SES契約)として会社で働く際の苦悩あれこれ

約1年ぶりに社会復帰して働いたら、完全アウェーな環境で体に重しを付けられたまま八百長上等のハンデ戦をやらされている気分になったので、契約社員(SES契約)が会社で働く際に経験するであろう苦悩についてまとめておきます。

目次

  • 作業PCは数世代前の誰かの使い古し
  • 作業ディスプレイが1台だけ
  • 限られた時間内での作業
  • 移動に自由がない
  • 開発リソースがない
  • プロジェクトリーダーがコミュニケーション下手
  • まとめ

作業PCは数世代前の誰かの使い古し

基本的に社内で余っているPCが割り与えられます。お世辞にもキビキビ動作するマシンではありません。Chrome、Visual Studio、Management Studio 等々、すべてが立ち上がって作業に取り掛かれるまで毎朝20~30分かかります。前日にWindows Updateが実行されていたらアップデートの反映に時間がかかってそれ以上です。

また、ウイルスチェックが実行されている場合、実行中はPCがまともに動かないので開発できません。そのウィルスチェックも1時間程度で終わればいいのですが、アプリを色々インストールしていくとその内、一日中ウイルスチェックをやるようになります。

時々、ウイルスチェックをやっているソフトがそもそもウイルスじゃないだろうか、と思ってしまいます。

作業ディスプレイが1台だけ

最近はWebの開発作業でデュアルディスプレイじゃないとかありえませんよね。

Web開発の場合、開発の仕方は主にトライ&エラーとなります。画面と画面に表示されたHTMLのソース、それにフロントエンドやサーバーサイドのソースやデバッグログを確認しながら進めるので、ディスプレイが1台ではとてもじゃないですが足りません。

画面を切り替えて作業を進めることもできないわけではありませんが、確認すべきものを同時に表示しておいた方が効率がいいのは火を見るより明らかです。

また、正社員はデュアルディスプレイなのに、契約社員はシングルディスプレイなんて格差がよくあります。それなのに作業量は正社員と同等かそれ以上なので、いい気はしませんよね。

シングルディスプレイでもフルHDなら御の字で、解像度の低いノートPCだけなんてことも過去にはありました。それでは仕事にならないので自費で外付けのディスプレイを購入してもいいかと確認したことが何度かあるのですが、許可されたことは一度もありません。そういう時はどうしても「この会社はなにで食ってく気なの?」って、問いただしたい気になります。

限られた時間内での作業

作業の進捗が芳しくない場合、正社員であれば最後の手段として土日出社で挽回することができますが、契約社員は自分の判断だけではそれができません。

さらに最近は残業や土日出社に対して厳しくなっているので、遅れを取り戻す手段ははっきり言ってありません。そんな時は開き直って「申し訳ございません」と謝って、リスケや作業の割り振りを見直してもらいましょう。

気を付けてほしいのは、遅れているからといって土日に出て挽回しようとすると、プロジェクト担当者にも出社してもらわなければならず、この場合、担当者との関係が悪化することが多く、そうなると今後の作業スピードにも関わるので、これだけは絶対に止めた方がいいです。

移動に自由がない

最近はどこもかしこもセキュリティが厳しく、個人情報を扱っている会社ならドアが施錠さているのは当たり前です。

こういう場合、入室するためにはカードキーが必要になるのですが、セキュリティ上の理由からカードキーを増やしたくないことが多く、新たなカードが発行されないので作業場所への自由な入室ができません。出ることは自由にできるけど入室時には電話して空けてもらわないといけないなんてこともあり、その時は笑い話で「監獄みたいだね」なんてことを言い合っていました。

仕方がないとは思いますが、自由がないと基本的にやる気がおきないので、必要最低限のことをやったらとっとと帰るようにしているのは、きっと私だけではないはずです。

開発リソースがない

同じ会社で働き続けることの最大の利点は社内にリソースが蓄えられることだと思います。

新しいサイトやアプリを作る際はそれまでに経験したことのある言語やフレームワークであれば、過去に作成したものを参考にすることができますが、契約社員はやる度にそこがリセットされるので、毎回ゼロからのスタートとなります。

私はそのせいで何度か同じ部品作ったりしましたが、問題なのはリソースがないことではなく、リソースがないので最初は時間がかかる、ということを理解してくれないプロジェクト関係者たち、という構図が生まれることです。

プロジェクトリーダーがコミュニケーション下手

作業者を社内の正社員以外から募集するというのはどういうことかというと、社内ではその人と一緒に仕事をしたくないから人が集まらないので仕方なく募集するということであり、経験上、こちらが分からないことを質問すると、なぜそれが理解できないのかという態度で接してくる人が多いです。

コミュニケーションが得意ではない私でさえ、質問してきた内容からどこで詰まっていて、どうして分からないのかということについて少なからず考えを巡らすのですが、上記のような態度で接してくるタイプの人に関していうと、そんな気配りは微塵も持ち合わせていません。

もちろん全員がそうではありませんし、運悪く他のプロジェクトと被っていたり、大規模なプロジェクトなのでとりあえず作業者の確保が最優先といった場合はプロジェクトリーダー云々の話ではなくなるのですが、そういった気配りができる人は社内でも人気が高いので、単発の契約社員が必要になるプロジェクトにおいてコミュニケーションが下手なプロジェクトリーダーに当たる傾向が強くなるのはむしろ自然なことですよね。

まとめ

以上のことをまとめると、

スペックの低いPCで、ショボい武器を片手に、限られた時間・空間内で、攻略方法の分からないボスに挑んでいる最中、それまで味方と思っていたリーダーが突然こちらをPKしてくる。

というのが、契約社員がよく関わるプロジェクトを端的に言い表したものになるのではないでしょうか。

ただ、上記に挙げたようなプロジェクトに関わっていても、プロジェクトを管理する人間がそのことを理解しているならさほど問題にはなりません。理解しているかどうかは、日頃の発言の内容やこちらへの接し方なんかですぐに分かりますよね。

理解していない場合や、理解しようとする態度すら見せない場合は、その後の関係を見直すきっかけにしましょう。この場合、やり続けても、評価や人間関係といったものには一切プラスにはならず、むしろやることでマイナスに働くので、お金や開発経験がほしいといった場合以外では、最初に掲示された期間までとし、延長しない方が得策です。

皆さんもせめて、SSDとデュアルディスプレイ、メモリ8GB以上のマシンを提供できるかどうかくらいは働く際の必要条件に入れておきましょう。私は今後、この環境が用意されない場合はよほど生活費に困ってない限り働かないことに決めました。

自前で用意したPCを使えるなら問題ありませんが、セキュリティ面から個人PCを会社で使うことはできないのが普通なので、用意されたものを粛々と使うしかないのが現状です。

このすべての問題を解決できる方法が在宅勤務だと私は思っていて、もちろん在宅は在宅で色々と問題はありそうですが、一度くらいはやってみたいですね。

ひとりごと】関連記事