AMDのRyzenシリーズ発売で Intel vs AMD の構図は復活するのか!?
5年以上前にPCの自作をしたことがある人は、CPUをIntelとAMDどちらにするか迷ったことがあるのではないでしょうか。
かくいう自分はCPUのメーカーとかなにも知らない時分に、最初に購入したデスクトップPCにAMDのCPUが搭載されていたことから、それ以来はどちらかといえばAMD派でした。
そんなAMD派だった私もここ数年は、ノートやデスクトップPC、はたまた自作やベアボーンなどのCPUとしてAMDを選択することはありませんでした。買う前にAMD製CPUが搭載された製品を調べたりはしていましたが、製品自体が少ないので選択肢の幅が狭く、安いけど消費電力の割にベンチマークのスコアは低いといったような情報を目の当たりにして、どうしても購入対象にはなりませんでした。
プロセスルールの縮小でうまくいっていないみたいな話はチラホラ耳には入っていて、年を追うごとにIntelに溝をあけられてしまっていたのが去年までのAMDです。
そして今年に入り、満を持して発売されたのが新しいデスクトップCPUのRyzenシリーズで、これがIntel製CPUを脅かす存在となるほど、ベンチマークのスコアが良好なようです。
こうなると、AMD派だった私は期待せずにはいられません。以前はコスパでIntel製CPUを凌駕していたAMD製CPUですが、一時期はPS4などの組み込みに特化してPC市場からは撤退するんじゃないかとまで言われていたところから、再びAMDの時代がやってくるのではないか!?と。
そんな淡い期待を確信に変えるためにも、今後の両雄の動向をチェックしてみたいと思います。
目次
- Ryzenのベンチマークスコアまとめ
- Core i9とRyzen Threadripper
- モバイルCPU「Ryzen Mobile」について
- 今後の展望
Ryzenのベンチマークスコアまとめ
まずは現在発売中のRyzen CPUのベンチマーク関連の記事をまとめておきます。
- 【レビュー】「Ryzen 7 1700」は高コスパな8コアCPUとなりえるか? ~Ryzen 7 1700/1700Xベンチマークレビュー - PC Watch
- 【レビュー】3万円から買える6コア12スレッド「Ryzen 5 1600X」をテスト ~2万円台のRyzen 5 1500Xも - PC Watch
- ASCII.jp:インテル超え確実!? Ryzen 7最速ベンチその実力とは? (1/2)
- ASCII.jp:ミドルクラスでもRyzenは無双できるか? 「Ryzen 5 1600X/1500X」レビュー (1/3)|最新パーツ性能チェック
- Core i5を駆逐するAMDの「Ryzen 5」シリーズの強さと弱さ | ちもろぐ
ざっとすべてのベンチマークスコアを確認しましたが、得意不得意という分野はあるにせよIntel製CPUを脅かす存在であることに間違いはないようです。
記事のタイトルを見ただけでAMD派としては顔がニヤけてしまいますね。
Core i9とRyzen Threadripper
先日、台湾で開催されていた「COMPUTEX TAIPEI 2017」でIntelがCore i9なるものを発表したそうな...
- 噂のCore i9シリーズ5モデルをインテルが発表。12から18コアを備えるデスクトップ向け最上位CPU - Engadget 日本版
- Core i9もラインアップ!インテルが最大18コア36スレッドのCPU「Core X」シリーズを発表 - 価格.comマガジン
- 【笠原一輝のユビキタス情報局】AMDのRyzen ThreadripperがIntelの危機感に火をつけた ~Intelの18コアのSkylake-X急遽投入の背景にあること - PC Watch
デスクトップ用のCPUで18コア36スレッドって、ハイエンドのゲーム用途だとしてもそんなスペック必要なのだろうか?と疑わずにいられませんが、どうやら本当に出すようです。
そのIntelに火をつけたのがAMDのRyzen Threadripperですが、こちらは16コア32スレッドで2017年夏に発売予定のようです(Core i9 の発売日は今のところ不明)。
「Ryzen Threadripper」と「Core i9」ともに、価格や周波数などのスペックは発表されていませんが、AMDが久しぶりにIntelに喧嘩を吹っかけているように見えるので、今後どのようになるのか楽しみですね。
モバイルCPU「Ryzen Mobile」について
上記のような18コアだの16コアだのは私とは無関係で対岸の火事レベルの話ですが、今年後半に発売されるらしいRyzenのモバイル版CPUはまさにこちら側にも関係のある話です。
自宅のメインPCとは別に、持ち運び可能な軽量ノートPCがちょうどほしいと思っていました。モバイル版CPUの発売が2017年後半ということで実際に搭載製品が出揃うのは年が明けているかもしれませんが、こちらもそこまで急いだ話ではないので十分に間に合います。
上記の記事でモバイル版のRyzenについては
第7世代APU(開発コードBristol Ridge)比で「CPU性能が50%、GPU性能が40%向上しながら、消費電力は50%低くなる」
ということなので、非常に期待できますね!
今後の展望
このままいけば2017年はAMDの年になりそうですが、一抹の不安もあります。
それはIntelが今年中にプロセスルールを縮小した製品を出すのではないか。出したらようやく追いついたAMDのRyzenが1年も立たずに時代遅れになるのではないか、というものです。
この辺りのことについて語っている記事を探してみました。
上記の記事によると、ひとまず2017年中にプロセスルール10nmの製品が出ることはなさそうなので一安心といったところです。
一方のAMDはどんな感じなのかというと、
10nmをすっ飛ばして7nmプロセスに移行しようとしているようです。
この話が本当なら2018年中のプロセスルール縮小はなさそうな気がしますが...まあ、その辺りの話に詳しいわけでもなんでもないので、どうなるかわかりません。
来年以降の展望はまだ見えませんが、とりあえず、今年はPC市場にAMDが帰ってきたことを素直に喜んでもよさそうです。
そして今の勢いがあれば、2018年もきっと大丈夫でしょう。