2022.9.11

Ryzen 7000(Zen 4)シリーズを買うべきかどうか

先日、AMDからRyzen 7000(Zen 4)の発表がありました。

ちょうどメインで使用している自作PCの組み換えを検討していて、Ryzen 7000シリーズのスペックや価格が気になっていたので、Ryzen 5000シリーズなども含めて、どのCPUで組むのがいいのか検討してみました。

目次

  • Ryzen 7000(Zen 4)シリーズのスペック
  • Ryzen 5 7600Xの価格について
  • 5000シリーズとの価格差
  • PCでやりたいことの整理
  • まとめ

Ryzen 7000(Zen 4)シリーズのスペック

まず、公式から発表されたRyzen 7000シリーズのモデルとスペックは以下の通り。

AMD - 公式サイト

Ryzen 9 7950X Ryzen 9 7900X Ryzen 7 7700X Ryzen 5 7600X
コア/スレッド 16 / 32 12 / 24 8 / 16 6 / 12
ベースクロック 4.5GHz 4.7GHz 4.5GHz 4.7GHz
ブーストクロック 5.7GHz 5.6GHz 5.4GHz 5.3GHz
TDP 170W 170W 105W 105W
価格(ドル) 699 549 399 299

前モデルであるRyzen 5000シリーズと比べた時の大きな違いはクロックで、ベースとブーストのそれぞれで、およそ1GHz程度アップしています。その分、TDPも増加している点には注意。

また、ソケットがAM4からAM5に変わる点や、プロセスルールが7nmから5nmに微細化されている点、標準でグラフィック機能が搭載されている点が大きな違いとしてあり、グラフィックについては、どれくらいの性能のものかは不明ですが、とりあえず画面に表示できるレベルのものらしく、最近の3Dゲームがプレイできるとかではないようです。

CPUのコア数やスレッドは前モデルと変わらず、IntelのようにPコア、Eコアといった分け方もしていません。

個人的にはそこまでハイスペックを求めていないので、購入するとしたら7600Xで十分。

噂に聞く限り、Ryzen 5 7600Xと5600Xを同じTDPで比較した場合、3割くらいのスコア差があるらしいので、単純にTDPを上げただけではないようです。

Ryzen 5 7600Xの価格について

個人的に7600Xが購入対象なので、そのモデルを中心に話しますが、Ryzen 5 7600Xの価格は、最近の円安の状況もあって、普通に考えて、5600Xが登場した時よりも高くなることが予想されます。

Ryzen 5 5600X登場時が4万円前後だったことを考えると、円安を考慮すると安くても4.5万円で、輸送費が上昇している現在、それ以上の価格になることもあり得ない話ではありません。

5万円を超えると日本のファンからそっぽを向かれそうな気がするので、Ryzen 5 7600Xについては、4.5万円以上5万円未満といったところが妥当でしょうか。

ただ、予想しておいてなんですが、4.5万円でも十分に高いですね。

さらにメモリはDDR5のみのサポートなので、DDR5は以前よりも安くなったとはいえ、今でもDDR4の2倍くらいの値段はしていて、DDR4と同じくらいの価格になるにはもう少し時間がかかりそうです。

CPUクーラーはAM4対応のものが流用できるようですが、マザーボードは円安で高くなっているので、Ryzen 7000シリーズでPCを組む場合、結構な出費を覚悟する必要があり、さらにAM5対応のチップセットではPCIe 5.0に対応しているので、それに対応したSSDを購入するとなると、これまた出費が増えます。

Ryzen 7000シリーズでPCを組む場合、どうしても価格が高くなることを肝に銘じておきましょう。

5000シリーズとの価格差

さすがに7000シリーズで組むのは高すぎる、と思った場合、狙い目となるのが、現行モデルの5000シリーズです。

Ryzen 5 7600Xと5600X、それにRyzen 7 5700Xのスペックや価格を比較すると以下の通り。

Ryzen 5 7600X Ryzen 5 5600X Ryzen 7 5700X
コア/スレッド 6 / 12 6 / 12 8 / 16
ベースクロック 4.7GHz 3.7GHz 3.4GHz
ブーストクロック 5.3GHz 4.6GHz 4.6GHz
TDP 105W 65W 65W
価格(税込み) 4.5~5万円? 2.35万円 3.5万円

この後、Ryzen 7000シリーズの発売が控えているので、現在、5000シリーズは日を追うごとに価格が下がっていて、この記事執筆時点の価格.comに掲載されているRyzen 5 5600Xの最安値は2.35万円です。

5600Xについては、登場時が4万円だったことを考えると、4割くらい安くなっていて、コスパを考えた際に非常に魅力的な製品になっています。

円安の状況でこれなので、円安でなければ...と考えてしまいますが、それについては言っても仕方がありません。また、CPUは安くなっていますが、マザーボードが高くなっているので、それを考慮すると価格的にはトントンといった感じになります。

ちなみに私の場合、購入対象となるマザーボードのフォームファクタはMini-ITXとなり、Mini-ITXはMicro-ATXと比べて値段が高いので、円安の影響をもろに受けていて、こちらはこちらで...となかなか踏ん切りがつかない状態だったりします。

なお、上記の表に掲載しているRyzen 7 5700Xですが、Zen 3世代の中で一番ワットパフォーマンスが高い製品で、発熱が5600Xより低いらしく、コンパクトケースに入れるならこれではないか...と検討しているので、比較対象として含めています。

PCでやりたいことの整理

Ryzen 7000シリーズという新しいCPUの登場で、本来の目的を忘れている感が否めないので、改めて自作するPCでやりたいことを整理してみます。

まず、現在、メインで使用しているPCの用途はゲームで、主に原神くらいしかプレイしていません。画面が4KなのでそこそこのGPUパワーは必要ですが、原神の場合、CPU性能はそこまで重要ではないので、正直なところ、現在使っているIntelのCore i3-10100Fでも十分で、使っていてとくに不満はありません。

では、なぜ新しくPCを組むかと言うと、最近、長期で実家に帰省することが多く、そういった時にゲームがプレイできるPCが1台ほしいからです。

PCを持ち運ぶのでゲーミングノートの購入も一時は検討しましたが、先日、メインPCのGPUをGTX 1650から RTX 3060 Tiに変えて、GTX 1650が余っているので、それだったら、今使っているメインPCをサブにして、メインのPCを新しく1台組むのが一番安上がりではないか、と考えているところになります。

このため、性能的にはIntelのCore i3-12100Fでも十分で、価格的にはこれがベストな選択になります。

ただ、将来的に原神以外のゲームをする可能性は高く、ゲーム以外にも動画の編集などで利用することも考えられ、そういったことを考慮すると、少なくともメインPCの構成は、最低ラインではなく、もう少し上を狙うべき、なのは間違いありません。

まとめ

購入するCPUの価格帯を簡単にまとめると選択肢は大きく分けて3つあり、マザーボードを含めた金額で分けると以下の通りとなります。

  • 3万円コース Core i3-12100F(約1.5万円) + マザーボード(約1.7万円~)
  • 5万円コース Ryzen 5 5600X(約2.5万円) + マザーボード(約2.0万円~)
  • 7万円コース Ryzen 5 7600X(およそ4.5万円~) + マザーボード(およそ2.0万円~)

それぞれのコースの特徴は、性能的には3万円コースで十分で、5万円コースはコスパがよく、7万円コースは将来的な楽しみがある、といった感じでしょうか。

なお、Ryzen 7 5700Xを選択した場合の6万円コースも可能性としては十分にある、というか、コンパクトPCの場合、なにげにそれが一番ベストな選択肢ではないかと思えてきました。

次の実家の帰省が11月くらいになるので、それまでには決めたいと思う今日この頃ですが、どれで組むのか悩んでいる時が一番楽しいので、もうちょっとだけ悩んでから決めたいと思います。

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