2021.4.13

CPUクーラー タイプ別の冷却性能の比較(純正、ファンレス、サイドフロー)

タイプの異なるCPUクーラー(純正、ファンレス、サイドフロー)をいくつか使ってみたので、それぞれの違いについて(サイズや冷却性能など)、まとめておきます。

目次

  • 比較するCPUクーラー
  • サイズ、重量の違い
  • アイドル時の温度比較
  • FF15ベンチマーク実行中の温度比較
  • Cinebench R23 実行中の温度比較
  • まとめ

比較するCPUクーラー

比較対象のCPUクーラーは以下の通り。

  • Intel純正クーラー
  • ファンレス(ARCTIC アルパイン 12 パッシブ)
  • サイドフロー(Thermaltake Contac 9)

CPUは「Core i3-10100F」です。

検証マシンの詳細はこちらを参照。

サイズ、重量の違い

サイズは、純正 < ファンレス < サイドフローの順に大きくなっています。

重量はそれぞれ以下の通り。

  • Intel純正:166 g
  • ファンレス:547 g
  • サイドフロー:374 g

重量は大きさではなく、ヒートシンクの材質によるところが大きいです。

アイドル時の温度比較

PC起動後、10分ほど経過した後のアイドル時の温度を比較。

※室温は20℃前後で計測

アイドル時に大きな違いはありませんが、ヒートシンクの大きさによって温度の違いが僅かに出ています。

FF15ベンチマーク実行中の温度比較

FF15ベンチマークで温度の比較。ベンチマーク実行中に温度が頭打ちになったタイミングで計測しています。

ベンチマーク実行中のCPUの使用率は50%前後。これくらいのレベルであれば、ファンレスでも冷却が間に合っています。

Cinebench R23 実行中の温度比較

Cinebench R23のマルチコアテストで温度の比較。FF15ベンチ同様、ベンチマーク実行中に温度が頭打ちになったタイミングで計測しています。

ファンレスの場合、処理時間が5分を超えた辺りで、100℃を超えそうになったので、ケースファンをフル回転しました。

高負荷の処理が長時間続くと、ファンレスでは冷却が間に合わないという結果です。

まとめ

検証したマシンのCPU「Core i3-10100F」程度であれば、ファンレスでも十分に動作可能ですが、CPUに5分以上の高い負荷がかかる処理を行う場合、ファンレスでは冷却が間に合わず、各パーツの寿命を短くしてしまう可能性があります。

実際に各CPUクーラーを使ってみたところ、サイドフロー型はサイズが大きく、取り付けが難しいですが、効率的なエアフローを構築することができるので、ケース内部に十分なスペースが確保されている場合、サイドフロー型のCPUクーラーがおすすめです。

騒音や電力消費の観点から可能ならファンレスが一番いいと思っていましたが、騒音に関しては、CPUの温度上昇によってケースファンをフル回転させることを考えたら、あまり意味はなく、電力消費に関しても同様なことが言えます。

また、負荷の低い、通常での利用であれば、そこまでファンが高回転しないので、あまり気にならないと思います。

ファンレスには魅力を感じているので、いずれはCPUクーラーだけではなく、完全ファンレスマシンを作成したいと思っていますが、ビデオカードやケースにファンが搭載されている場合、CPUクーラーだけファンレスにしても効果は薄いので、無理をしてファンレスにする必要はないかな、というのが今回の教訓。

とくに拘りがなければ純正のCPUクーラーでも十分です。

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