2019.10.19

待ちに待った十二国記の続編「白銀の墟 玄の月」が楽しみすぎて数年ぶりに本屋で小説を購入しました

先日、十二国記の最新刊「白銀の墟 玄の月」が発売されました。

いつぶりの新作だろうかと思うと、帯に書いてある通り、書下ろしの新作としては18年ぶりとのこと。文庫本としては、途中、短編集である丕緒の鳥が発売されていますが、それも6年も前のことになり、本当に久しぶりで待ちに待った作品という感じです。

目次

  • 十二国記との出会い
  • アニメ視聴以後
  • 「白銀の墟 玄の月」を読んだ感想
  • 余談

十二国記との出会い

私が最初に十二国記を知ったのはアニメがきっかけで、当時はリアルタイムでは視聴しておらず、何かのきっかけで、このアニメが面白いというのを見かけるか聞いたりして、後で全部まとめて視聴した覚えがあります。

アニメの最初を数話見ただけでは、今も昔もよくある異世界ものかなぁ、という感想しか抱かず、作画もそこまでよくはなかったので、視聴を途中で止めようとすらしました。昔ならいざ知らず、最近の視聴傾向であれば間違いなく3話くらいでもういいやと視聴を断念していたと思います。

そういった思いが変わって、作品を面白いと感じ始めたのは、ねずみが登場し、流された世界の決まり事やそこに住まう人々の顔が見えるようになってからです。異世界ものの作品で、あそこまでしっかりした設定、緻密な世界観を表現しているアニメ作品を私は他に知りません。

世界観だけではなく、人々の行動にもちゃんと理由があり、どうしてそういうことをするのか、というバックボーンがちゃんと描かれているので、異世界作品でよく感じるような『薄っぺらい』という印象は微塵も感じませんでした。

そのため、以前に書いた記事(2015年までに視聴したおすすめのアニメ ベスト20)でも、堂々の1位となっており、4年経った今でも、その順位は変わっていません。

アニメ視聴以後

アニメで描かれているのは原作小説の「月の影 影の海」「風の海 迷宮の岸」「東の海神 西の滄海」「風の万里 黎明の空」の4つまでで、それ以降の「図南の翼」「黄昏の岸 暁の天」「華胥の幽夢」はアニメ化されていなかったので、アニメ視聴後、後者の3つに関しては小説を買って読みました。

アニメでも感じましたが、使われている用語は難しく、さっと読んだだけでは理解できないものが多いですが、それでも作品の魅力に引き付けられ、あっという間に読み切ってしまったのは、さすがの一言。しかも小説としては本当に珍しく何度も読み返しました。

また、最近は本を購入する際、ほとんど電子書籍で買うようになり、紙の本は嵩張るので持っていたものはほとんど処分してしまいましたが、その中でも残している数少ない作品の一つが十二国記です。

アニメ、小説と視聴して、その後も気になっていたのは、もちろん戴国の行方。

気になって続編が出やしないかと、当時はAmazonで何度も新作のチェックをしていた思い出があります。

そうして、いつの間にか新作のチェックもしなくなり、戴国の行方についても気にならなくなっていた昨今、忘れたころにやってくる、と言わんばかりのタイミングで、なんと十二国記の続編「白銀の墟 玄の月」が出るという話を聞いて、その時は内心では拍手喝采と万歳三唱をして、現在を迎えています。

「白銀の墟 玄の月」を読んだ感想

新作が出るのは本当に喜ばしいことですが、18年ぶりの書下ろし新作ということで、あまりにも時間が経ってしまっていたため、書く方もすっかりそれまでの流れを忘れて、話の齟齬や内容が薄っぺらくなるのではないかという、一抹の不安がありました。

また、新作「白銀の墟 玄の月」で描かれているのは、待ちに待った戴国の話。

6年もの間、王と麒麟が不在の期間を経て、戴国に麒麟が戻ってくるところから始まりますが、未だに行方知れずな泰王や、王を討とうとした者の心情など、続編が出ずにもやもやしていた頃、『続きは見たいけど、一体、これどうやってまとめるんだろう』と何度も気になっていました。

ただ、そういった気がかりは、実際に小説を読んでみると、杞憂だと言わんばかりの内容で、あっという間に先に刊行された1、2巻を読破してしまいました。

やはり、『さすが』というしかありません。

続きはまた翌月に刊行されるようで、全4巻で完結するみたいなので、そこまで待たされないのもいいですね。最終的な評価は最後まで読んだ後になると思いますが、これは期待してもいいのではないでしょうか。

来月が楽しみです。

余談

そういえば、個人的に十二国記のアニメで一番好きな話は「乗月」で、『月に乗じて暁を待つ』という言葉が結構心に残っていたりするのですが、この間、知り合いから『なにか面白いアニメない?』と訊かれて、十二国記を勧めたら、乗月だけ、それ総集編っぽいし見なかったと言われて、「おおぉい! それ、一番大事なとこ!!」と言ってしまいました。

そして、全話見たという知り合いの最終的な感想は「んー、そこまで」ということで、好きな作品はそれぞれ、というのは分かっていますが、本当にちゃんと見たんだろうか、と疑ったのは言うまでもありません。

アニメは全部で45話近くあるので、最初から見るのは結構しんどいのですが、勧めてからの知り合いの反応が意外と早かったので、昨今のアニメの視聴方法のように、きっと飛ばし飛ばしで、ざっとあらすじだけ追っていたのだと思います。

それでは十二国記の良さは伝わらないので、見るなら、腰を据えて、じっくりと視聴することをお勧めします。

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