2019.11.12

十二国記「白銀の墟 玄の月」を読んだ感想

楽しみで仕方がなかった十二国記の続編「白銀の墟 玄の月」。

当初の予定通り、後半の3、4巻が発売されて、その日の内に買って読んで読み終わったので、ちょっとだけ感想を記しておきたいと思います。

「白銀の墟 玄の月」を読んだ感想

まず、全4巻を読んだ後に思ったのは、率直に言って、消化不良という言葉に尽きると思います。

読後は爽快感というよりも、これでは納得できない、という思いが強く、読み終わった直後にはなにが消化不良なのか分からず、モヤモヤした感じでしたが、時が経つにつれて、それは明確になっていきました。

ざっと並べると以下の通り。

  • 謀反を起こした阿選(あせん)と玉座を追われた驍宗(ぎょうそう)との絡みが一切なく、肩透かしをくらった印象。
  • 阿選をそそのかした?琅燦(ろうさん)の行動が意味不明。
  • 阿選が謀反を起こした理由は分かったが、謀反を起こす前と起こした後の心の変化が分かりにくい。 (謀反後、部下を道具のように扱う様に、そんな人間が謀反前にあれだけの人望を得ることができるだろうか、という疑念)
  • 行方知れずだった驍宗の6年間(7年間?)の描写が少なく、 また、さすがに都合良すぎな気がして、設定的に天の加護があったのだろうけど、そこまでするなら、天帝が直接出張ってきてもいいんじゃない、と思ってしまうレベル。
  • 最後の展開が駆け足すぎる。

細かく書けばまだまだありそうですが、大体はこれくらい。

Amazonでも同様のレビューが散見されたので、上記のような感想を抱いたのは私だけではないようです。

しかし、一番大きなものは、阿選と驍宗の絡み、それに琅燦の思惑の2つだと思います。

ここを明らかにするためにはもう1巻あって、ようやく完結するといった感じです。

短編集になるのかもしれませんが、ワザとか?と思うほど、最後が急ぎ足だったので、今後、そういった展開はあり得そうですね。

最後に

これで十二国記の作品は最後、なんて思っていましたが、さすがにこれで終わり、とは思えません。

良かったのやら良くなかったのやら、ちょっと複雑な気持ちですが、今後も十二国記ファンであることに変わりはないので、なにかしらの動きがあることに期待したいと思います。

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