古典部シリーズ最新刊(文庫)の「いまさら翼といわれても」を読んだら、今更だけどやっぱり面白かった
最近、昔に比べたら小説を読まなくなりました。
理由は色々ありますが、最大の理由は『以前と比べて読む時間が少なくなった』だと思います。
それに紙の本は嵩張るので、可能なら電子書籍としてタブレットで読みたいのですが、小説は途中で読むのをやめたりするとどこまで読んだか分からなかったり、文庫と比べたらタブレットが重くて腕が疲れるといった弊害があるので、次第と遠ざかり、好んで読むことが本当にここしばらくはありませんでした。
ですが、そんな状態であっても、これは読まなければならない、と思ったのが、米澤穂信著書の古典部シリーズ最新刊「いまさら翼といわれても」でした。
目次
- 古典部シリーズについて
- 最新刊(文庫)について
- 「いまさら翼といわれても」をいまさら読んだ感想
- 最後に
古典部シリーズについて
古典部シリーズとは、2001年の第1作「氷菓」から始まる、高校の古典部に入部することになった主人公が同じく入部した同級生に振り回されながら日常の謎を解いていく、人が死なない日常系ミステリー作品。これまでに「氷菓」「愚者のエンドロール」「クドリャフカの順番」「遠回りする雛」「ふたりの距離の概算」がシリーズ作品として刊行されています。
アニメ好きな方であれば「氷菓」という作品名でピンとくると思いますが、京都アニメーションの制作で2012年にTVアニメが放送されています。
アニメで放送されたのは原作の「遠回りする雛」まで。私はアニメ放送前に原作の小説を読んでいましたが、その上でアニメを見ても面白かったと思う数少ない作品です。
先日に起きた事件で京都アニメーションが紹介される度、代表作として「涼宮ハルヒの憂鬱」や「けいおん!」が引き合いに出されていましたが、個人的に京アニといったら「氷菓」。もちろん世間的には最初に挙げた2作品の方がヒットしたのは知っていますが、それくらい私にとっては好きな作品になります。
最新刊(文庫)について
誤解されるとあれなのでちゃんと言っておくと、古典部シリーズの最新刊といっても、それは文庫版の「いまさら翼といわれても」が2019年6月に刊行されたということです。
もちろんハードカバーの単行本はもっと前(2016年11月)に敢行されていて、それ以降のシリーズの続編は出ていないので、そっちも最新刊といえば最新刊ですが、数年も経っているので、さすがに声に出して最新刊と言うのはちょっと憚られますよね。
単行本が出た時、私は購入するかどうか迷いましたが、待っていればすぐに文庫版が出るかな、と思い、そのまま月日は流れて2年以上経った今、ようやく文庫版が発売されて、古典部シリーズの続編を読むことができた、という流れになります。
待ちに待って...と言いたいところですが、待っていたのは単行本が発売されてからの半年程度。それ以降はすっかり忘れていて日々の雑事に追われていましたが、先日、Amazonで何気なく検索していたら、おすすめ商品としてこの「いまさら翼といわれても」がピックアップされていて、それで、文庫版が発売されていたことを知りました。
さすがはAmazon。人の購買意欲を刺激するのが上手ですね。
「いまさら翼といわれても」をいまさら読んだ感想
あまり詳しく述べるとネタバレになるので、簡単に感想を言うと、やっぱり古典部シリーズは面白いという言葉がしっくりくると思います。
内容は短編集であり、表題作「いまさら翼といわれても」をはじめ、「箱の中の欠落」「鏡には映らない」「連峰は晴れているか」「わたしたちの伝説の一冊」「長い休日」とそれぞれの話が、いかにも古典部らしい空気感とやり取りで、数年ぶりの古典部シリーズの作品だっただけに、『ああ、たしかこんな感じだったよな』と懐かしさがこみ上げてきました。
懐かしさだけではなく、メインの4人の登場人物がそれぞれの進む道についての重要な分岐点になるような話ばかりだったので、今後の未来について思いを馳せるには十分な内容。
また、「長い休日」で主人公が省エネ主義に至った理由、それを一言で表す言葉に、個人的には共感の嵐でした。
表題作「いまさら翼といわれても」についても、確かにいまさら言われてもね、と思わざるを得ない内容で、刊行ペースはかなーり長く、今後に続編が出るかも不明ですが、時間をかけた分だけちゃんと話を練って作っているんだなぁ、と勝手に関心しています。
巻数も長くなると、大抵は初めの面白さが色褪せて、読む方も書く方も惰性になってしまいがちですが、こと古典部シリーズに至っては、そういった感想は抱きませんでした。
そして小説を読み終わった後、アニメを全話見返したのは言うまでもありません。
最後に
久しぶりに小説を読みましたがやっぱりいいですね。
今更だけどやっぱり面白かった古典部シリーズの”文庫”の最新刊「いまさら翼といわれても」。かなりおすすめですよ!!
アニメしか見ていない人も「二人の距離の概算」から読めば全然OKです。
これを機会に他の小説にも手を出そうかな、と思っています。