2019.5.2

コミック「正直不動産」は面白くてためになる作品!? 物件探しの前に読んで ちょっとだけ賢くなっておこう

史上初の10連休であるゴールデンウィークを皆さんは如何お過ごしでしょうか。

家族との旅行やショッピング、実家への帰省など、人さそれぞれだと思いますが、こういった大型連休はどこもかしこも人が沢山で、どこかへ行くにも渋滞や長蛇の列に巻き込まれて、いつも以上に疲弊してしまうので、個人的にはどこにも行かないのが正解だと思っています。

私と同じ考えで家でまったり寛いでいる人は多いのではないでしょうか。

ゲームやコミック・小説、またはアニメや映画の視聴など、家の中でできることで、普段は忙しくて手が出せないものを、この機会にやるのがオススメです。私はゲームプレイやコミックを読んだりして過ごしていますが、今回、コミック「正直不動産」が面白かったので紹介したいと思います。

目次

  • コミック「正直不動産」について
  • コミックの読後にこれまでの不動産屋の対応を思い出してみる
  • 最後に

コミック「正直不動産」について

不動産業界の闇を曝け出す皮肉喜劇!!

登坂不動産の売上NO.1エースである主人公が、ひょんなことから嘘をつくことが出来なくなってしまい、千3つと呼ばれる不動産業界で売り上げが下降する中、不動産屋の裏側を客に全部ぶっちゃけてしまいながらも、営業スタイルを変えて、再びNo.1に昇りつめようとする話です。

ビッグコミック連載で連載開始は2017年。作者は大谷アキラ。単行本は2019年5月現在で、5巻まで刊行されています。

連載がビッグコミックということもあって、内容はどちらかと言えば大人向け。作中に不動産関連の難しい用語が頻繁に出てくるため、意味を理解しながら読み進めようとすると結構時間がかかります。

中間省略登記、瑕疵担保責任、使用賃借、あんこ業者、地面師、AD物件、中抜き、トリプル両手、再建築不可、共有名義...などなど、普段は聞かない専門用語ばかり。作品内で丁寧な解説はされているので、なんとなく理解することはできますが、素人が完全に意味を把握するのは難しいでしょう。

ただ、内容を理解して読み進めていくのが一番いいのは当然として、詳しいことは分からずとも、なんとなく程度の理解で読み進めることができて、それでも面白いと思えるのがこのコミック「正直不動産」の凄いところだと思います。

ライバルとの競争に同僚の裏切りや助け合い、不動産屋を訪れる客やオーナーとのやりとりなど、不動産をめぐる攻防は見ていて楽しく、嘘をつけなくなったことで営業スタイルを変えざるを得なくなった主人公の成長も段々と頼もしくなり、今後の展開が非常に気になるものとなってきました。

ですが、一番のおすすめは、この作品が現実の不動産業界をベースとしている点です。

コミックの読後にこれまでの不動産屋の対応を思い出してみる

普通の人であれば、不動産屋に限らず、営業にはあまりいい印象は抱いていないもの。そういったイメージが先行しているだけのかというと、そうではなく、実際に営業の人にかかわると概ねそのイメージが事実であることが分かると思います。

私の場合、これまでに何度か住む場所を変えているので、その度に仲介業者である賃貸物件を探しに不動産屋へ足を運びましたが、そこで共通しているのは、メリットは強調してくるが、やはりデメリットは強調してこないということ。基本的にデメリットはこちらが尋ねるまでは言ってきません。

SUUMOやHOME'Sなどの物件検索サイトやアプリでも、建物の構造や築年数、設備といったものは条件検索で判明しますが、バルコニーのすぐ前に別のマンションが建っていて日当たりが良くないとか、最寄り駅に快速が止まらないとか、そういった情報は掲載されていません。

今では、Googleストリートビュー、電車やバスの乗換案内などのサービスが充実してきたので、自分で調べればその辺はすぐに分かりますが、急いでいたり、店舗で突然紹介された物件なんかでは、そういった情報は見落としがちです。

また、なにかしらの要因で交代が多い部屋だったり、問題がある部屋は、不動産屋に情報があっても、借りる側に知らせられることはなく、内覧程度では気づくことも難しいので、実際に住んでみるまでは分からないと思います。

デメリットを言われて、それが許容できるものであればいいですが、そうでない場合、契約に二の足を踏んでしまうのはたしかなので仕方がないことではありますが、できれば、そういった情報も借りる側としては知りたいですよね。

マンションノートという物件の口コミサイトで、当該物件や周辺の住人からの良いところや悪いところの情報を見ることができて参考にはなりますが、さすがに部屋単位でこの部屋は止めておいた方がいいとか、そういう情報はありませんし(おそらく特定の部屋や個人に対する口コミはNG)、戸数が少ないマンションやアパートでは、そもそも口コミ自体が投稿されていません。

なお、仲介手数料が主な収益である不動産屋は、仲介手数料を支払うと、それまで頻繁にやりとりしていたメールの返信が途端に遅くなったり、契約締結後は一切連絡がなかったりと、仕方がないとはいえ、コミックの内容通りで、明らかに対応が違ってくるのは不動産屋問わず、どこの営業もそういったものでしょう。

不動産屋とは違いますが、私の知人に営業がメインの会社に就職した人がいて、一度だけ、その人の会社の同僚と会う機会があったのですが、やはり『営業としては優秀なのかもしれないが人としてはどうなの...』という人が多かったのを覚えています。

そういった経験があって、さらにはコミック「正直不動産」を読了したともなれば、現在の住まいを借りる際、内覧時に早く決めないと申込みがあるかも...と言われ、じゃあ、この部屋にしますと決めたら、内覧している部屋は埋まってしまったので、隣の部屋なら大丈夫です、となり、隣の部屋を内覧したり深く調べたりもせずに契約した結果、隣人は騒音MAXな困ったちゃんということがあったので、今ではあの時のやりとりは、ワザとじゃなかったのだろうか、という疑念を抱くようになりました。

実は以前の住人は騒音が原因で出て行って、交代が多い部屋とかそういった情報が不動産屋にあり、万が一にも内覧の際にそれがバレない様に、もう一つの空き部屋に案内した上で、内覧した部屋はすでに申込みがあったと告げておいて、問題の部屋を契約させたのではないのか、と。

実際のところは知りませんが、そういったこともあるので、物件を買ったり借りたりする際は、事前に自分でよく調べておき、可能なら住んでいる住人に話を聞いたり、口コミサイトで確認したりといったことはやった方がいいでしょう。

不動産屋は知っていても致命的なデメリットは教えてくれないので、やれることをやったら、後は実際の物件に住んでみるしか確認の手段がありません。

この記事を書いていて、なんだか就活みたいだな、と思いました。

最後に

そんなわけで、コミック「正直不動産」は不動産屋のことが分かって、なおかつ面白いので、かなりのおすすめ作品です。

物件を買ったり借りたりする際、または貸す側としても参考になるので、これからそういったことを考えているのであれば、難しい本を手に取るのではなく、まずはこちらのコミックから入るのもいいと思います。

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