長期で人材を雇用する際のリモートワークという働き方の重要性
フルリモートという働き方に移行して、そろそろ2年が経とうしています。
その間、幸いにも同じ職場で働き続けることができて、今に至るわけですが、それ以前と比較して、我ながら、かなり長く続いていることに気がついたので、その理由を振り返ってみることにしました。
目次
- 以前の働き方について
- 長く働く際に重要なこと
- 仕事を辞めたくなった理由と、フルリモート移行後の変化
- 人が辞めていく職場は、それに足る理由が存在する
- 転職のすすめ
以前の働き方について
フルリモートに移行する前の働き方として、私の場合、平日勤務で、通勤は電車で1時間、徒歩で30分を要していました。
仕事自体は嫌いではなく、残業といったこともほぼなくて、問題があったり、納期が近づいている時に少し残業する程度で、基本的には定時で帰ることができていたので、職場がブラックというわけではありません。
長く付き合いのある職場だったので、ある程度、お互いのことを知っていて、休日なども気兼ねなく取ることができていました。
今、振り返ってみると状況的には、とくに辞める理由は見つからないのですが、この時、働き続けて、3ヶ月から半年くらい経つと、一旦、長期の休みが欲しい、という思いが芽生えて、実際に一つの案件が終わったタイミングで、すぐに次の案件へとはいかず、少し長めの休日を挟んでいました。
フルリモート移行後、長めの休日が欲しいという思いはあるにはあるのですが、以前よりも、その思いは強くならず、結果として、2年間、同じ職場で働き続けることができています。
長く働く際に重要なこと
個人的な感想ですが、働く際に重要なのは、以下のポイントだと思っています。
- 適度な作業量
- 作業しやすい環境
- 今後のキャリア形成に役立つかどうか
まず、適度な作業量ですが、作業量が多ければ、当然、残業時間も増えてしまうので、時々ならまだしも、常時、その場合だと、長く働くのは身体的、精神的の両方で厳しいと思います。
逆に作業量が少ない場合、その日、なにで時間をつぶすのか考える必要があり、暇だと1日が経つのが長く感じて、眠気とも戦わないといけないので、それはそれでつらいものがあります。
このまま今の仕事を続けていいのか、と思うのは、大抵、めちゃくちゃ忙しい時か、暇な時のどちらかだったので、作業量としては、ちょっと忙しいくらいがベストです。
次に作業しやすい環境についてですが、私は暑がりなので、室内の気温が24℃を超えると、途端に作業効率が悪くなるのですが、だからと言って寒すぎるのもNG。22℃を少し超えるくらいがベストで、通勤していたころはどこの職場も24℃を軽く超えていたので、時には暑すぎて頭がぼーっとして、仕事にならない時がありました。私とは逆で寒がりの人もいるので、気温に関しては、職場に人が多いほど、不満に思うメンバーは多くなります。
環境は気温だけでなく、他にも色々とありますが、詰まるところ、集中しやすいかどうかが重要です。集中しやすいかどうかは人によるので、他の人が気づくのは、難しいとは思いますが、極端な例を上げると、嫌いな人が近くにいるだけで、作業効率は落ちます。
環境でストレスを感じている場合、常に負荷がかかっている状態なので、なにかのきっかけで、我慢の限界を超えて、辞めてしまう、といったことが考えられます。
あとは今後のキャリアに影響するかどうか、で、これは、歳を重ねるごとに感じていますが、なにかに特化した経歴を持っていた方が、転職に有利に働くので、今、やっていることが、今後の仕事に役立つスキルだったり、経験であること、働いている側がそう思えることが重要です。大体の人が将来に不安を抱えているので、そこに対してアプローチできていないと、よほど能天気な人でもなければ、大抵の場合、辞めます。
個人的な例を挙げると、今の職場で最初の3ヶ月は、開発ではなく、議事録ばかり書いていたので、将来が不安になって、あと少しそれが続いていたら、2年間も続けず、すぐにやめていました。
そして、一番重要なことは、上記に挙げた3点を雇う側や管理者が認識していることです。不満に思っていても口に出せない職場だったり、自分は快適に仕事できていても他の人はそうでない可能性があるので、その辺の確認を怠ると、我慢して頑張って仕事をしているのに、管理する側がそう思っていない、といったようなすれ違いが起こり、評価に不満を抱いて、どんどん、人は辞めていくでしょう。
仕事を辞めたくなった理由と、フルリモート移行後の変化
私の場合、前の職場で感じていたことを整理すると、作業量としてはちょうどよかったのですが、案件毎にメンバーがガラリと変わって、人間関係が面倒に感じていたり、作業場所の室内の気温が高くて、仕事をしている間はずっと我慢している状態だったり、さらにはこちらがやりたいと思っている仕事内容とは違っていたので、キャリア的に不安を抱えていたり、と、改めて考えると、結構な不満を抱いていました。
そこに付け加えて、職場でやっていたことは、環境さえ整えば、自宅でも可能だったので、往復3時間の通勤時間を無駄に感じていたことも大きかったと思います。
では、これが、今やっているフルリモートの仕事でどう変わったのかというと、仕事のやりとりはチャット主体で、人間関係は希薄になりましたが、実際に会って仕事をしていた時よりも情報の共有や連絡、会議の開催などが楽で、個人的にはやりやすくなり、室内の気温は、自分に合った温度に調節可能で、無駄な通勤時間も省くことができて、睡眠不足に悩まされることもなくなりました。
仕事の内容は、正直、やりたいものとは少し違っていますが、今後のキャリアを考えた時に、十分、役立つものなので、そこまでの不満は感じていません。
また、嫌いな人がいたとしても、リモートワークの場合、喋らなければいいだけなので、その人のせいで気が散って仕事が手につかない、といったこともなくなりました。
要するになにが言いたいのか、というと、前の職場で仕事を辞めたいと思っていたポイントが、フルリモートで働くことによって、ほぼすべてが改善されたため、辞める理由がなくなり、2年間も継続して働くことができた、ということになります。
最近、世の中的には、リモートワークを辞めて通勤主体の働き方に戻す、といった動きがありますが、リモートワークのメリットは確実にあり、長期雇用を考えた際にかなり重要なポイントになるので、安易に戻そうとすると、社員からの反発は必須で、場合によっては多くの人が辞めていく理由に直結します。
人が辞めていく職場は、それに足る理由が存在する
人が辞めていく理由は沢山ありますが、その多くが、働き方や評価に対する不満、それに人間関係が上手くいっていない、といったものです。
先日、大学からの友人と久しぶりに飲む機会があって、そこで知ったのですが、その友人は最近になって、長く務めていた会社を辞めて、転職していました。
私とは違い、子供がいる家庭を築いていたので、その決断に驚き、理由を尋ねると、元々、会社の方針や評価に不満を持っていて、そんな時に、女性社員の活躍を後押しするためとかで、なんの理由もなく、自分よりも仕事ができない人が上司になったりして、さすがに愛想が尽きたみたいなことを、言っていました。
もちろんそれが真実かどうかは分かりませんが、きっかけになったのは間違いなく、上記の理由は一例で、理由もなく、辞めていくわけではない、というのを知っておく必要があります。
転職のすすめ
長く働いてもらう職場づくりでリモートワークが重要である、という点を述べてきましたが、個人的に、転職自体は推奨しています。
同じ職場にずっといると、新しいことに挑戦する機会が少なくなり、やることがマンネリ化してきて、人間関係もそこまで変わらないので、刺激がなくなり、結果、働く意欲がなくなって、それが態度に出て、会社側としても扱いにくい人材になる、といったことは十分に考えられます。
そういった状態になると、転職にも後ろ向きな状態になるので、そこまで行く前に、転職して環境を変えた方が自分自身にとってプラスになります。
個人的な話をすると、現在、仕事で開発リーダのようなポジションをしていますが、以前はそういったことはやらないと決めていて、前の職場の人もそれを理解していたので、やる機会はなかったのですが、実際にやってみると、意外と、それまで見えていなかったことが見えたりして、やりがいを感じることも少なからずあって、刺激という点では、満足していたりします。
それにこれまでの経験上、一時的なならまだしも、長期間、我慢する状態は精神的にかなりよくないと身をもって知ったので、転職であれ、引っ越しであれ、改善できないなにかがあるのであれば、早々に見切りをつけて、次に行くのも、一つの手だと思います。