MSI Afterburnerの消費電力制限(Power Limit)で自作PCの静音化
PCを静音化するためには、ファンの制御やエアフローの改善、はたまた水冷式クーラーの導入などといったことが必要と思っていましたが、GPU(グラフィックボード)の場合、電力制限という方法もあることを最近知りました。
目次
- GPUの電力制限(Power Limit)について
- 電力制限によるパフォーマンスの変化
- Windows起動時の反映
- 最後に
GPUの電力制限(Power Limit)について
オーバークロックツール「MSI Afterburner」を使って、GPUに流れる最大の消費電力を制限することができます。
設定は簡単で、アプリ中央上のPower Limitを50~100%の間で設定し、あとは反映するだけ。
この設定だけで、GPUの消費電力が制限され、パフォーマンスは当然落ちるものの、発熱を抑えることができます。発熱が抑えられたら、ファンの回転数も落ち、静穏化に繋がるというわけです。
また、消費電力が上がる程、パフォーマンスの伸びは緩やかになる傾向にあり、使用するソフトやゲーム、環境によっては、最大の消費電力で使わなくても十分なため、電力制限を設定することで無駄な電力を使わなくて済みます。
普段使いのPCなら、省電力の方がいいですよね。
以下、電力制限によるパフォーマンスの変化を調べてみました。
電力制限によるパフォーマンスの変化
調査を行うPCのスペックと環境は以下の通り。
- CPU:Core i3-10100F
- GPU:GeForce RTX 3060Ti
- ディスプレイ解像度:4K(3840 × 2160)
- 室温:26℃
AfterburnerでPower Limitの値を50~100%の間で10%毎(6段階)に設定し、FF15ベンチマークを標準品質で実行して、各条件でのFPSやGPU温度・使用率、スコアといったものを計測してみました。
■ FPS、GPU温度、GPU使用率
■ 消費電力
■ ベンチマークスコア
上記のグラフから読み取れるのは、消費電力は10%毎に概ね同じくらいの電力が増加しているのに対して、消費電力が増加する程、FPSやベンチマークスコアの上昇率は鈍くなっています。
また、スコア的に50%と60%の差が結構大きいので、ワットパフォーマンス的には電力制限「60%」がベストな状態となります。
この60%で許容できるかどうかは使い方次第になるので、一度、設定した状態で、普段と同じ使い方で問題がないかどうか確認します。
個人的にはゲーム(原神)プレイ時に60%で十分だったので、その設定で使っています。
Windows起動時の反映
最後に
GPUの電力制限はPCの静穏化にかなり有効なので、搭載しているグラフィックボードのスペックが過剰であるなら、電力を制限して使用した方がいいと思います。
その方が家計にもPCにも優しく、とくに今使っているPCを長く使うことを考えているなら、設定しておいた方がいいです。