2022.7.11

MSI Afterburnerの消費電力制限(Power Limit)で自作PCの静音化

PCを静音化するためには、ファンの制御やエアフローの改善、はたまた水冷式クーラーの導入などといったことが必要と思っていましたが、GPU(グラフィックボード)の場合、電力制限という方法もあることを最近知りました。

目次

  • GPUの電力制限(Power Limit)について
  • 電力制限によるパフォーマンスの変化
  • Windows起動時の反映
  • 最後に

GPUの電力制限(Power Limit)について

オーバークロックツール「MSI Afterburner」を使って、GPUに流れる最大の消費電力を制限することができます。

設定は簡単で、アプリ中央上のPower Limitを50~100%の間で設定し、あとは反映するだけ。

この設定だけで、GPUの消費電力が制限され、パフォーマンスは当然落ちるものの、発熱を抑えることができます。発熱が抑えられたら、ファンの回転数も落ち、静穏化に繋がるというわけです。

また、消費電力が上がる程、パフォーマンスの伸びは緩やかになる傾向にあり、使用するソフトやゲーム、環境によっては、最大の消費電力で使わなくても十分なため、電力制限を設定することで無駄な電力を使わなくて済みます。

普段使いのPCなら、省電力の方がいいですよね。

以下、電力制限によるパフォーマンスの変化を調べてみました。

電力制限によるパフォーマンスの変化

調査を行うPCのスペックと環境は以下の通り。

  • CPU:Core i3-10100F
  • GPU:GeForce RTX 3060Ti
  • ディスプレイ解像度:4K(3840 × 2160)
  • 室温:26℃

AfterburnerでPower Limitの値を50~100%の間で10%毎(6段階)に設定し、FF15ベンチマークを標準品質で実行して、各条件でのFPSやGPU温度・使用率、スコアといったものを計測してみました。

■ FPS、GPU温度、GPU使用率

■ 消費電力

■ ベンチマークスコア

上記のグラフから読み取れるのは、消費電力は10%毎に概ね同じくらいの電力が増加しているのに対して、消費電力が増加する程、FPSやベンチマークスコアの上昇率は鈍くなっています。

また、スコア的に50%と60%の差が結構大きいので、ワットパフォーマンス的には電力制限「60%」がベストな状態となります。

この60%で許容できるかどうかは使い方次第になるので、一度、設定した状態で、普段と同じ使い方で問題がないかどうか確認します。

個人的にはゲーム(原神)プレイ時に60%で十分だったので、その設定で使っています。

Windows起動時の反映

MSI Afterburnerで電力制限を行っても、Winodowsの再起動でリセットされてしまうので、次回の起動で設定を省略する場合、アプリで「Startup」を選択しておきます。

上記の設定をするだけで、次回の再起動時にも設定が維持されます。

最後に

GPUの電力制限はPCの静穏化にかなり有効なので、搭載しているグラフィックボードのスペックが過剰であるなら、電力を制限して使用した方がいいと思います。

その方が家計にもPCにも優しく、とくに今使っているPCを長く使うことを考えているなら、設定しておいた方がいいです。

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