2021.4.16

アラフォーWebエンジニアがエージェントサービスを利用してフルリモート可能な案件を探してみた結果

30歳を超えた辺りからずっとフルリモートで仕事をしたいと思っていて、コロナ過におけるリモートワークの普及を渡りに船と、エージェントサービスを利用してフルリモート可能な案件を探してみました。

目次

  • 利用したエージェントサービス
  • サービス登録から面談までの流れ
  • 案件企業との面談時の流れ
  • 契約、報酬について
  • エージェントサービスは複数利用すべきか
  • エージェントサービスの利用でも面談スキルは必要
  • 自分の強みを分かっていることが大事
  • リモート向きの技術
  • フルリモート案件の求人倍率
  • アラフォーでも大丈夫なのか?
  • 最後に

利用したエージェントサービス

今回、利用してみたエージェントサービスは「クラウドテック」と「Remogu」の2つ。

こちらのエージェントを選択した理由はリモートワーク可能な案件を多く扱ってそうだから、という理由のみです。

サービス登録から面談までの流れ

エージェントサービス利用時の流れはサービス毎に違いますが、今回利用したサービスは、それぞれ以下の通りでした。

◆クラウドテック

  • Webサイトから利用登録
  • スキルや経歴をWebサイトから登録するか職務経歴書のPDFをアップロード(経歴書のテンプレートは用意されている)
  • 担当者とメールで条件の擦り合わせ
  • 案件の紹介やスキルアップの講座などのメールが届く
  • 担当者から紹介される案件の回答をメール記載のGoogleフォームから行う
  • 書類選考後、企業名や条件の詳細が提示され、面談日時の調整が行われる
  • 面談はオンラインで実施(基本的に1回のみ)

※クラウドテックの場合、公開されている案件を自分で探して応募することも可能

◆Remogu

  • Webサイトから利用登録
  • 職務経歴書は利用登録時にPDFでアップロード
  • 担当者とオンラインで面談して、職務経歴書をベースにスキルや条件の確認
  • 企業ごとに担当者が割り当てられているようで、複数の担当者から案件紹介のメールが届く (最初に面談した人がエンジニア側のメインの担当者になっている模様)
  • 書類選考後、面談日時の調整が行われる
  • 面談はオンラインで実施(基本的に1回のみ)

※登録したメールアドレスがGmailの場合、Remoguからのメールがプロモーションタブに割り振られて、通知が飛ばずに気づかないことが多かったので、設定を見直すか、登録後は注意を払っておいたほうがいいです。

企業とのオンライン面談で使用されるビデオ会議用のツールは、案件によりバラバラ(ZoomやGoogle Meetなど)でした。

案件企業との面談時の流れ

企業との面談は基本的にオンラインで実施され、面談の流れはだいたい以下の通りです。

  • 企業側の説明(案件の概要や使用する言語・フレームワークなどについて)
  • こちら(エンジニア)側の経歴の説明(これまで携わった案件の内容や、今回の案件とのマッチング度など)
  • 質問タイム

企業側の参加人数は3~5人。時間は30分~1時間程度です。

事前にエージェントサービスの担当者とメールや電話で打ち合わせが行われるので、分からないことや不安な点はその時に確認することができます。

契約、報酬について

年明けから3ヶ月ほどエージェントサービスを利用して探してみましたが、今回は残念ながら契約にまでは至らなかったので、契約後の流れは不明です。

報酬については、エージェントサービス毎に違い、源泉徴収があったりなかったりするので、最初に詳しく確認しておいた方がいいです。

エージェントサービスは複数利用すべきか

今回はリモートワークがしたいという観点から、上記、2つのエージェントサービスを利用させて頂きました。

現在、この他にもたくさんのエージェントサービスが存在していて、最初は複数のサービスを併用していいのかどうか分かりませんでしたが、やってみると複数のサービスを併用しているのが当たり前のようで、応募時や面談前に、他のサービス含めて、現在の状況を確認してくるのが恒例となっています。

このため、自分が得意な分野や興味のある案件を扱っているエージェントサービスをいくつか選ぶのがいいと思います。

ただし、複数のサービスを利用すると、メールのやりとりが大変になるので、むやみやたらと登録せずに、2~3つくらいに絞った方がいいです。

エージェントサービスの利用でも面談スキルは必要

多くのフリーランスエンジニアがそうであるように、私も営業や条件交渉といったことが苦手なので、エージェントサービスを利用すれば、そういったスキルは必要ないかと思っていましたが、1回の面談が設定されているからも分かる通り、さすがに最低限のコミュニケーションスキルは必要です。

少なくとも、これまで自分が携わってきたプロジェクトの内容をスラスラ言えて、案件とのマッチング度や、企業が気にしている点を重点的に論理だてて説明するくらいはできないと話になりません。

最初の面談時、「まあ、なんとかなるでしょう」という心構えで、ほとんどなにも準備せずに臨んだら、自分が携わってきたプロジェクトの説明もろくに出来ず、面談の途中で「これはないなぁ」という空気を企業側から感じ取り、こちら側も「...ですよね」という感じで、大失敗した経験があります。

とくにこれまで関わったことのない新規の企業であれば、評価対象は真偽が不確かな保有技術や資格、経歴といったものではなく、面談時の感触となるので、事前の準備は言うに及ばず、質疑応答レベルでの受け答えはしっかりできるようにしておかないといけません。

また、独り身の場合、喋る機会があまりないので、面談で久しぶりに声に出して話すと、5分もせずに疲れて、声が枯れ始めるので、事前に練習くらいはしておかないと、喋るのがしんどくなり、声に力がないと、それだけで評価はマイナスとなります。

自分の強みを分かっていることが大事

若ければ未経験の言語やフレームワークであっても企業と契約できる可能性はありますが、エンジニア歴が10年以上ともなると、求められるのは即戦力としての力で、過去の経歴をベースとした案件を探すのが重要です。

今回、エージェントサービスを初めて利用するということもあって、自分がやってみたい言語やフレームワークを中心に探しましたが、そういった観点で応募した案件(20件以上)は、すべて書類選考の段階で落とされました。

同じWeb系だったしても、案件の条件に記載されている言語やフレームワークの経験がなければ基本的にNGで、とくにフロントエンドとバックエンドは、まず、どちらかを選ばないといけず、これまで、どちらもそこそこやってきたので、個人的にはどちらでもいいのですが、それでは専門性がないと見做されるので、せめて、どちらが得意といったことを示す必要があります。

また、最新の技術や流行にもアンテナを張っておく必要があり、範囲が広いとそれだけ追うのが大変になるので、自分が得意として決めた分野についての情報や、業界全体の流行くらいは把握しておいた方がいいです。

リモート向きの技術

これまでJavaやC#といったWebの案件に多く携わってきましたが、リモート可能な案件で多いのは、RubyやPython、PHPなど。

案件探しでよく見かけたフレームワークやツールは以下の通り。

  • フロントエンド:Vue.js、React
  • バックエンド:Ruby on Rials(Ruby)、Django(Python)、Lalabel(PHP)
  • バージョン管理:GitHub
  • 開発手法:アジャイル
  • インフラ:AWS、GCP

PHPであれば「WordPress」もよく見かけました。

Javaであれば「Spring Boot」、C#であれば「ASP.NET」という案件もあることはありますが、リモート可能な案件としては、かなり少ないです。

あとWindowsアプリであれば「WPF」といったところでしょうか。

Rubyは日本でしか流行っていないので、今後はPythonに置き換わるものと数年前に思っていましたが、今回、案件を探してみた限りでは、そういった様子はありませんでした。

フルリモート案件の求人倍率

未経験のフレームワークとはいえ、さすがに書類選考NGの確率が高すぎたので、案件1つ(募集人数:1人)に対して、どれくらいの応募数があるのか気になり、担当者に尋ねてみました。

もちろん、尋ねても教えてくれるはずもなく、明確な答えは返ってこなかったのですが、あくまでふわっとした回答から得たおおよその数値は、コロナ前を5人前後としたら、コロナ後はその5倍以上になっている、というもの。

この数値はあくまで平均的な案件の数値なので、これが人気の案件だったら...考えたくもありませんね。

おそらく、企業側からすれば、フルリモート可能という条件を掲示すれば、優秀な人材がわんさか集まる状況が続いているのだと思います。

条件にフルリモートと記載されている案件であっても、年に数回は出てもらう可能性がある、といった注意書きが足されていることが多かったのは、そういった理由からで、個人的には、それは「フル」リモートではない、と思うことが度々ありました。

今回はフルリモート可能な案件に絞ったものだったので、一部リモートの求人倍率はまだマシかもしれません。

常駐案件についても、企業の業績悪化により、契約の打ち切りなどが増えていて、人材の移動が活性化しているので、コロナ前よりも1つの案件に対する求人倍率は上がっていると思います。

最近、エージェントサービスが広告をバンバン打っているのは、そういった背景があり、稼ぎ時だから、というのが一番の理由ですね。

アラフォーでも大丈夫なのか?

案件に対する求人倍率も去ることながら、今回、一番、憂慮していた点は年齢です。

アラフォーでも契約してくれる企業があるのかどうか、これまでに関わったことがある企業なら可能だと思いますが、初めてエージェントサービスを利用するので、そういった繋がりに期待することはできません。

よくIT人材が不足している、という話は聞きますが、不足しているのはあくまでも「優秀な」IT人材であって、私のように特別なにかに特化したスキルを持っていないような人材はお呼びではない、という疑念があります。

以前、縁のある知り合いの元社長がこう言っていました。

「40歳を超えたSEなんか雇わないよ」

と。

この言葉が正社員で雇う場合の話なのか、それともプロジェクト単発での契約の話なのか、今となっては不明ですが、プログラマー35歳定年節も相まって、なかなか、今後に不安を覚える言葉です。

個人的には以前よりも知識が増えて、現役のSE・プログラマーとして働ける自信はあるのですが、周りがそう思っていない場合、継続案件ならまだしも、新規は絶望的です。

数は少ないですが、何件か面談をしてくれた企業があるので、そういった認識があったとしても、過去のものとなっている可能性がありますが、案件に対する応募数が多い場合、保有スキルと面談時の印象が同じレベルなら若い方を私でも選ぶと思うので、こればかりは仕方がないところ。

今回、3ヶ月という期間でエージェントサービス経由で仕事を探して見ましたが、残念ながら、『そこそこ働ける程度のアラフォーWebエンジニアはお呼びではない』、という疑念を完全に払拭することはできませんでした。

ただし、フルリモートという条件は頑なに維持していたので、コロナ過でリモート可能な案件は確実に増えていますが、それ以上に応募者の方が多く、時期が悪かった、という見方もあります。

また、エージェントサービスの利用に慣れていなかった、という点もあったので、そこを改善すれば、上手くいくのではないか、という可能性は残されています。

最後に

エージェントサービスを利用する前は、すぐに仕事が見つかるものと思っていましたが、実際のところ、そう上手くはいかないことが分かりました。

今回、これまで直接やり取りしていた企業のプロジェクトが一段落してから、エージェントサービスに登録して案件を探し始めたのですが、それでは遅かったので、次回はプロジェクトが一段落する数ヶ月前から探し始めたいと思います。

その間、ポートフォリオや制作物をGitHubに移すなどして、色々準備しておくのが良さそうですね。

そろそろ年齢的にSE・プログラマーの引退というワードがちらほら見え隠れしているので、いつまで仕事にできるか分かりませんが、もう少し、頑張ってみたいと思います。

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