2021.4.6

IT系フリーランス(個人事業主)の報酬に対する消費税と所得税の源泉徴収について

これまでIT系のフリーランスとして活動していて、報酬に対して消費税を上乗せして請求するのは当たり前のことだと思っていましたが、最近、例外がある、ということを知りました。

税については、よく理解していなかったので、調べたことを記録として残しておきます。

目次

  • 免税事業者と課税事業者
  • 報酬に対する消費税
  • 所得税を源泉徴収している場合
  • 最後に
  • 参考リンク

免税事業者と課税事業者

フリーランス(個人事業主)であっても、消費税を国に納付する義務はあります。

ただし、課税対象の売上高によっては免税の対象となり、免税か課税かの事業者の判定基準額は1,000万円になります。

売上高が1,000万円を超えない場合、消費税の納税は免除されます。(免除の場合、書類などの提出は不要)

課税事業者となる条件を簡単に示すと以下の通り。

  • 課税期間(前々年の1月1日~12月31日)中の課税売上高が1,000万円を超えた場合
  • 特定期間(前年の1月1日~6月30日)中の課税売上高が1,000万円を超えた場合

多くのIT系フリーランスの場合、副業でもしない限り、1,000万円を超えることはないので、免税事業者となります。

報酬に対する消費税

IT系フリーランスの方で一番気になるのは、報酬に対して消費税を上乗せして請求していいのかどうか、という点です。

私もフリーランスになったばかりの頃は、税についての知識が今よりも浅く、消費税とか関係ないでしょ、と思っていたクチですが、フリーランスの報酬も消費税の対象になります。

上記の免税事業者と課税事業者の判定で、免税事業者となっている場合でも、報酬に対して消費税を上乗せして請求することができます。

ただし、企業によっては掲示している金額がそもそも税込みの報酬だったり、消費税の請求はNGとしているところもあるので、事前に確認することが重要です。

所得税を源泉徴収している場合

利用するエージェントサービスによっては、報酬から所得税の源泉徴収を行っている企業が存在します。

源泉徴収している場合の報酬の消費税の扱いがどうなるのか分からなかったのですが、この場合、フリーランス(個人事業主)というよりは給与所得者としての扱いに近いのか、消費税の対象外取引となることがあるようです。

詳しくは企業ごとに取り決めが違うようなので、こちらも事前に確認することが重要。

最後に

基本的にフリーランス(個人事業主)の報酬は消費税を上乗せして請求するものと覚えておき、仕事でお世話になる企業やエージェントサービスごとに、毎回、消費税の扱いを尋ねましょう。

尋ねずに掲示された金額をそのまま請求している場合、消費税を上乗せできるところであっても、黙っていることがあり、気づいた時には遅く、報酬を上げてもらうのに、値上げ交渉が必要になります。

消費税を上乗せ請求している場合、増税のタイミングで自動的に報酬額が上がりますが、していない場合には、わざわざ値上げ交渉を行わなければならず、応じてくれるならまだしも、応じずに報酬額が据え置きといったこともあるので、報酬に対する消費税の取り決めについては、最初が肝心です。

フリーランスになったばかりだと、税については分からないことだらけなので、他のフリーランスの人が身近にいるなら、遠慮せずに聞いてみるのもいいかもしれません。

参考リンク

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