2020.2.20

個人事業主(フリーランス)の確定申告まとめ

個人事業主(フリーランス)として活動して結構長くなりますが、これまでの確定申告では白色申告で、さすがに青色申告にしないともったいないな、と思い始めたので、青色申告に必要な書類や手順、その他申告に関する情報やこれまでの経験をまとめておきます。

フリーランスになった直後はなにをすればいいのか分からずにハードルが高い印象でしたが、白色申告や青色申告(控除額10万円)であれば、そこまで難しいものではありません(家計簿程度のレベル)。

目次

  • 確定申告の種類
  • 青色申告の申請
  • 確定申告書の作成と提出方法
  • 開業届の必要性について
  • 雑所得と事業所得の違い
  • 個人事業税について
  • 確定申告の控除で必要になる添付資料
  • 支払明細書の必要性について
  • 会計ソフトについて

確定申告の種類

個人事業主(フリーランス)の確定申告の方法は以下の3つです。

  • 白色申告
  • 青色申告(控除額10万円)
  • 青色申告(控除額65万円)

この内、青色申告については税務署への事前の申請が必要で、申請していない場合は自動的に白色申告になります。また、青色申告の控除額はどちらかを選択するわけではなく、控除に必要な書類が揃っているかどうかで控除額に違いがでてきます。

白色申告と青色申告(10万円)については、必要な書類にそこまでの違いはないので、青色申告で提出した方がお得で、青色申告で65万円の控除を受けたい場合は、必要になる書類が多く、収支をExcelで管理するだけでは書類を用意するのが難しいので、通常は会計ソフトの利用が必要になります。

青色申告の申請

確定申告を青色で行いたい場合、事前に税務署に「青色申告承認申請書」を送って承認してもらう必要があります。

個人事業主となって最初の確定申告から青色申告を行いたい場合は、開業届とセットで「青色申告承認申請書」を提出し、白色申告から青色申告に切り替える場合は、この承認申請書を確定申告書類と一緒に3月15日までに税務署に提出しておくことで、翌年の確定申告から青色申告で提出することが可能になります。

申請は税務署で行うか、国税庁のHPから申請書(PDF)をダウンロードして、必要事項を記入して印刷後、郵送で提出することもできます。

確定申告書の作成と提出方法

税務署に提出する確定申告書等の作成は国税庁HPの作成コーナーから行うことができます。

提出方法は以下の3通り。

  • e-Tax(マイナンバーカード方式)
  • e-Tax(ID・パスワード方式)
  • 印刷して提出

e-Tax(マイナンバーカード方式)はマイナンバーカード(通知カードはNG)とカード読み取りに必要なICカードリーダが必要になります。

ICカードリーダがなくてもNFCに対応したスマートフォンがあれば、マイナンバーカードの読み取りは可能ですが、スマートフォンとPCに専用のアプリをインストールして、両者をbluetoothで接続してアプリを使用と結構面倒な上、アプリの完成度も低く、マニュアルもお世辞にも分かりやすいと言えるものではありません(2020年2月現在)。

昨年、マイナンバーカードを作成していたので、こちらの提出方法で確定申告書を提出しようとしたら、途中の処理でどうやってもカード情報を読み取れずに断念しました。スマートフォンではなくICカードリーダを使えば問題ないのかもしれませんが、e-Tax(マイナンバーカード方式)での提出は注意が必要です。

e-Tax(ID・パスワード方式)は税務署に事前に届出することで選択できる方法です。

届出は税務署または自宅からマイナンバーカードとカードリーダ(またはNFC対応スマートフォン)を使って可能なので、e-Tax(マイナンバーカード方式)で上手くいかなかった場合は、こちらの方法で自宅からの届出を試してみるのもいいと思います。自宅からの届出は確定申告書等作成コーナートップ画面の右下にある「ID・パスワード方式の届出」から行えます。対応ブラウザはWindowsであればIEとEdgeのみ。

印刷して提出する方法ですが、これは印刷した書類を税務署に直接出向いて提出する方法と郵送で送る方法の2通りがあります。

最初は必要な書類や記入漏れなど、分からないことが多いと思うので、税務署に直接出向いた方がよく、一度行って慣れたら郵送でいいと思います。郵送方法はレターパック(ライト、プラス)が追跡できて安心。ただし、確定申告の時期にコンビニで買おうとすると、安い方のレターパックライトが売り切れていることが多いので注意が必要です。

なお、申告書の控えと返信用の封筒(+切手)を一緒に送ると、控えに税務署の受領印が押されたものが返ってきます。これは控えに受領印が必要な場合のみで、不要であれば控えを送らずに自宅に保管しておけばよく、フリーランスになって数年経ちますが、今のところ控えに受領印が必要な状況は一度もないので、私は送っていません。

開業届の必要性について

個人事業主(フリーランス)の確定申告について調べると、必ずと言っていいほど「開業届の提出が必要」というワードを見かけますが、これもどうやら、できれば提出しておいた方がいい、というレベルのもののようです。提出する際の屋号も空欄でいいみたいなので、開業届ってなんのためにあるのか、疑問に思わないでもないです。

ちなみに私は開業届は提出していませんが、それで問題があったり、税務署から提出してくれと言われたことはこれまでのところありません。

白色申告はまだしも、青色申告をする際に開業届が必要そうに思えますが、これもどうやら控除額が10万円の場合は必要ではないようです。(65万円の場合は不明ですが、さすがに出しておいた方がいいように思います)

ただし、だいぶ前だったので記憶が朧げですが、事業所得として申告した年の9~10月頃に個人事業税の対象かどうか調査するための調査票が送られてきたことがあったのですが、これはおそらく、開業届を出していなかったことが理由だと思います。

雑所得と事業所得の違い

フリーランスになって最初の確定申告で迷ったのは、働いて得た収入をなんの所得で申告すればいいのか、ということでした。

不動産所得が違うということはさすがに分かりますが、そうなると関係ありそうなのは「給与所得」「事業所得(営業・農業)」「雑所得」の3つ。

この内、給与所得は基本的に会社から源泉徴収された給料を受け取っている人が対象(通常のサラリーマン)なので、フリーランスの場合はこれには該当しません。

となると、雑所得と事業所得(営業・農業)のどちらかになるのですが、事業所得に「営業」と「農業」しか書いておらず、私がやっている契約先の会社に常駐してのソフトウェアの開発(Webサイトの運営・構築・製造など)は、どちらかといえば製造業や情報通信業になり、ぱっと見はこれに該当しなさそうですが、どうやらそういったエンジニアの仕事についても「営業」に含まれるようです。

あとは本人の心持次第?で、事業としてやっているという覚悟や実体があれば「事業所得」、そうでなければ「雑所得」で申告すればいいようです。

個人事業税について

所得を事業所得として申告する場合、所得税とは別に「個人事業税」を納めないといけない可能性が高いです。個人事業税を納めないといけない条件は、特定の業種かつ所得が290万円を超える場合で、例えば業種がシステムエンジニアやプログラマーの場合はその対象になります。

個人事業税の額は以下の計算式で求められます。

(所得の額-290万円) × 税率(3~5%)

税率は業種によって異なります。

また、所得税の確定申告をした場合は、事業税の申告書を別途提出する必要はありません。

個人事業主にかかる事業税とは|スモビバ!

確定申告の控除で必要になる添付資料

所得税は収入から経費や控除が差し引かれたものにかかる税で、フリーランスの場合、一般的には「生命保険料」や「社会保険料(個人年金、国民健康保険)」それに「ふるさと納税の寄付金控除」といったものが関係してくるかと思います。

年末になると控除の申請に必要な証明書が送られてくるので、確定申告まで大事に保管しておく必要があります。

支払明細書の必要性について

フリーランスになってから確定申告の際に、相手先の企業からいくら収入を得たのか、という金額を証明するため、支払明細書を申告書に添付したことがあります。

支払明細書は会社に言えば発行してくれますが、私が関わっていた会社は、わざわざこれを言わないと発行してくれず、確定申告の時期もその会社と関わっていればそこまで面倒ではありませんが、そうでないことも何度かあり、確定申告の際に不要なのであれば添付しないようにしたい、と思っていました。

そこで調べてみると、確定申告の添付資料に支払明細書は必要ではない、なんて情報を見かけたので、試しに添付せずに確定申告を行ったところ、とくになんの問題もなく受領してもらえました。

金額さえ間違っていなければ、ないよりかはあった方がいい、というレベルのものなのかな、と思っています。

会計ソフトについて

青色申告で控除額65万円を達成するために必要な会計ソフトですが、大体どこの記事でも紹介しているのは以下の3つでした。

私は使ったことがないのでどれがいいかは不明ですが、freeeは直感的操作で初心者にも分かりやすいみたいです。

上記以外のもので、無料で使えるものはないかと調べると、クラウドではありませんが、フリーウェイ経理Liteという会計ソフトが個人でも使えるもののようでした。

ただし、ちょっと使ってみただけではデータの登録すら満足に行えず、使いこなすためには多少なりとも会計の知識が必要です。

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