ASUS Chromebook Flip C101PA 購入レビュー
ASUS Chromebook Flip C101PA は2017年10月に発売された機種で、発売前からずっと買おうかどうか迷っていましたが、Amazonサイバーマンデー後、財布の紐が緩くなっていたこともあって、ついに購入してしまいました。
以下は、スペックや使ってみた感想などです。
目次
- 開梱
- スペック
- 重さ
- 電源ボタン、インターフェース
- 外部ディスプレイの利用
- 液晶ディスプレイ(10.1インチ)とタッチ操作
- ノートPC、タブレット、テント、スタンド、それぞれのスタイルの使い心地
- キーボードの使用感
- タッチパッドの使用感
- ChromeOSの使いやすさ
- Androidアプリについて
- ROMの容量(16GB)について
- 総評
開梱
スペック
C101PAのスペックは以下の通りです。
サイズ | 幅 262.8 mm 奥行き 182.4 mm 高さ 15.6 mm |
---|---|
重さ | 900g |
CPU | OP1 ヘキサコア(6コア) |
RAM | 4GB |
ROM(ストレージ) | 16GB |
バッテリー | 最長9時間 |
ディスプレイ | 10.1インチ WXGA (1280×800) |
カメラ | 92万画素 Webカメラ |
Wi-Fi | 802.11 a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 4.0 |
インターフェース | USB 2.0×1 USB 3.1 (Type-C) x 2 ヘッドホンジャック×1 microSDカード |
私がこのC101PAを購入した理由は、10.1インチとサイズが小さく、軽量であること。かつ、RAMが4GBと十分なメモリを確保している点です。
欲を言えば、ROM(ストレージ)16GBではなく32GB欲しかったのですが、実際に使ってみた感じでは、電子書籍として利用するのでなければ十分な容量でした。
以下、1週間ほど使ってみた感想になります。
重さ
ますは重さ(900g)について。
スペック的には900gで非常に軽いのですが、筐体が小さいためか、手に持った感じではそこまで軽いという印象は受けません。
また、充電用のアダプタが150gくらいあるので、両方を合わせて携帯すると、1kgはオーバーします。
購入前に分かっていたことですが、タブレットの利用で寝ながら使うといったような使い方は短時間なら可能ですが長時間はできません。寝ながら使うなら重さ300g前後のタブレットじゃないときついですね。
電源ボタン、インターフェース
ノートPCの状態で、左側に電源ボタンと音量調整ボタン、右側にUSB 2.0×1、USB 3.1 (Type-C) x 2、ヘッドホンジャック×1、microSDカードと、すべてのインターフェースは右側に集約されています。
今まで購入したノートPCは左側に電源ケーブルを接続する箇所があったので、自然と左側に電源タップがあったのですが、このC101PAは右側にあるUSB 3.1 (Type-C)から電源を供給する形になるので若干の注意が必要です。
インターフェースの位置については、おそらくタブレットモードにした際の状態に配慮した構成になっていると思われます。
付属の充電用アダプタについてですが、コンセントを一つ占有してしまうもので、私の場合、USB3.0ポートを4つ装備した充電器を持っているので、そこから供給しようとすると、USB3.0とUSB 3.1 (Type-C)との変換ケーブルが必要になります。
また、付属の充電ケーブルが太くて堅かったので、頻繁に本体の位置を変えたりする場合は、柔軟性のあるケーブルに買い替えた方が使いやすいです。
外部ディスプレイの利用
C101PAで外付けの液晶ディスプレイを接続する場合は、USB 3.1 (Type-C)ポートを使います。
充電に使うポートもこのUSB 3.1 (Type-C)ポートで、2つあるポートのどちらからでも充電または外部ディスプレイとの接続が可能となっています。
C101PAの特性上、外付けのディスプレイに接続するような使い方はあまりないかもしれませんが、外付けの液晶ディスプレイのインターフェースがHDMIやDisplayPort、D-Subしかない場合、変換ケーブルが別途必要になります。
ここで注意が必要なのは、USB 3.1 (Type-C)がまだまだ新しい規格のせいか、このUSB 3.1 (Type-C)から外部ディスプレイ(HDMI)に接続する際の変換ケーブルが他の変換ケーブルと比べて価格が高いです。
私が調べた限り、Amazonの聞いたこともない中華メーカーで1000円ちょっと。中堅どころのメーカーで2000円オーバー。ヨドバシやビックカメラで売っているようなちゃんとしたものは安いもので3000円前後でした。
もう少し時間が経てば、価格もこなれてくるものと思います。
液晶ディスプレイ(10.1インチ)とタッチ操作
光沢のあるタッチ対応の液晶ディスプレイですが、使ってみた感じ、指紋が付きやすいので気になる人はフィルムを別途購入しましょう。
液晶の品質はよく、タッチ操作の反応もよくて軽快に動作しますが、指の滑りがそこまでよくないので、こちらもフィルムで改善できるならそうした方がよさそうです。
ベゼル幅は広めですが、スタイルの切替やタブレットスタイルで結構しっかり手に持つので(重量があるので)、これくらいあった方が逆にいいのかもしれません。実際に使ってみてもそこまで気になりませんが、どちらかといえば、ベゼル幅についた指紋が目立つので、そっちの方が気になります。
ノートPC、タブレット、テント、スタンド、それぞれのスタイルの使い心地
C101PAはディスプレイ部を360度回転させることができるので、4つの形態(ノートPC、タブレット、テント、スタンド)で利用することが可能です。
ノートPCスタイル。
テントスタイル。
タブレットスタイル。
タブレットスタイルにすると、画面のモードが切り替わって、普段使っているスマートフォンやタブレットと操作が同じ感じになります。
また、タブレット状態だと物理キーボードが利かなくなるので、間違って押して誤入力されてしまうといったこともなく使いやすいのですが、やはり普通のタブレットと比べると重量感があります。
各スタイルへのチェンジは、液晶の回転にそこまで力がいらないので問題なく行えます。
回転する際はどうしても液晶のベゼル付近を手で触ってしまうので指紋が残ってしまいますが、タブレットスタイルでも利用する人なら、そこまで気にならないかと思います。
キーボードの使用感
さて、私が購入前にC101PAで一番知りたかったのはキーボードが打ちやすいかどうかです。
スマートフォンのフリック入力にもだいぶ慣れてきた私ですが、まだまだ本格的になにか調べ物をする際は物理キーボードがないと厳しいと感じており、このC101PAを買った一番の目的が、長期キャンプツーリング中に調べ物をする際の検索マシンとして利用することでした。なので、キーボードが使いにくいと話になりませんし、それだったらスマートフォンやタブレットで十分です。
このキーボードが打ちやすいかどうかを調べるために何度か家電量販店に向かっては、このマシンを見つけてタイピングを試してみましたが、その時の感触としては思っていたよりも良さそう、といった感じでした。
筐体が10.1インチサイズなのでどうしてもキーピッチが狭くなってしまい、誤入力は多くなってしまいますが、そこは慣れでカバーできると思います。それよりも重要なのはタイピングした際の感触で、このマシンはその感触が十分に許容できるものでした。
一緒に展示されていた同じメーカーの格安マシン(Windows)と比べても全然打ちやすかったです。
タッチパッドの使用感
キーボードと合わせて重要なのがタッチパッドですが、こちらも反応がよく、使い勝手ではMacBook Airよりは劣るけど、Windowsのタッチパッドよりは全然いい、といった感じです。(WIndowsマシンに関してたまたま購入したものがダメだっただけかもしれませんが)
キーボード同様、一緒に展示されていた同じメーカーの格安マシン(Windows)と比べても全然使いやすかったです。
というか、そのWIndowsの格安マシン(E203だったかな)のタッチパッドは反応が鈍すぎて使い物にならない感じでした。マウスを使う前提なら問題ないですが、タッチパッドに期待すると痛い目を見ます。急ぎで必要といった場合でないなら、実機を確認してから購入しましょう。
ChromeOSの使いやすさ
OSについては以前、ChromiumベースのCloudReadyでChromeOSがどういったものか調べていたので、不安はありませんでした。
その時のマシンのCPUがCore i5-4200Uと結構スペックのいいものを使っていたので、それよりは反応が遅いようには感じますが、気になるレベルではありませんし、この価格帯のWindowsマシンと比べると天と地くらいの差があります。
それでも少しでも反応がいいものが欲しいというなら、上位機種のC302CAを購入検討してみるのがいいでしょう。
Androidアプリについて
Chromebookを買って一番試したかったこと。それはChromebookで使えるようになったAndroidアプリがどこまで使えるものなのか、ということでした。家電量販店で試させたら良かったのですが、利用するためにはGoogleアカウントが必要なので試せず、実際はどんな感じなのだろうとすごい気になっていた点です。
購入したC101PAはAndroidアプリに対応済み(Stable Channel)です。(他Chromebookの対応状況はこちらで確認)
OSを起動すると、画面下のシェルフに見たことのあるアイコンが。(見つけた際に謎の感動があります)
アイコンを押すと、Playストアが起動します。
とりあえず、スマートフォンやタブレットで普段使っているアプリを入れて試してみましたが、基本的には問題なく動きます。
スマートフォンよりも画面サイズが大きいので、AvemaTVやdマガジンといったものであれば普段よりも見やすくて操作もしやすく、ノートPCスタイルでもタッチパッドの2点タッチで左右にスワイプすれば、チャンネルの切替やページめくりが簡単にできます。
アプリの反応速度もよくて、キビキビ動作するのでスマートフォンやタブレットよりも使いやすい印象です。
もちろんいくつか不具合があるアプリもあり、電子書籍アプリ(Kindle、Kobo)はタブレットモードじゃないとちゃんと動かなかったり、torne for mobile はnasneとのペアリングができず、アプリは起動するけど肝心のテレビやビデオは視聴できなかったり、メビウスFFはアプリはちゃんと動くけど、その前のダウンロードで頻繁に落ちて、プレイに必要なすべてのデータ(3~4GB)をダウンロードするのに、合計20回以上アプリの再起動が必要だったりと、まあ、ちょこちょこあるので、Chromebookで特定のアプリを使う必要がある場合は事前に調べておいた方が良さそうです。
ただ、こちらも一つ注意点があって、何回か開いては閉じてを繰り返していたらPlayストアが起動してもなにも表示されなくなるといった現象が発生しました。
調べると原因は不明でしたが、最終的にはPCの初期化が必要とのこと。
Chromebook Flip C101PAでPlayストアが起動しなくなった場合の対処法 - エレキ宇宙船
私の方で発生したものは、まさに上記の記事に書かれている通りのもので、端末の再起動やキャッシュをクリアしても改善されなかったので、PCの初期化(設定 > 詳細 > リセット > Powerwash)を行いました。
1週間ほど使って初日だけに起こった現象なので、裏で自動でやっているアップデート処理かなにかでうまくいかなかったのだと思います。
ちなみに「設定 > Google Play ストア > Android設定を管理 > 端末情報」からAndroidのバージョンを確認すると「7.1.1」でした。
※ ChromebookでのAndroidアプリの使用感や試してみたアプリについては、別途、記事をアップしたいと思います。
ROMの容量(16GB)について
PCの起動直後、ユーザーが使える領域は「9GB」でした。5GBほどOSが専有しています。
このC101PAの法人向け版では32GBだそうなので、個人向けのPCも同じ容量にしてくれればいいのにと思いましたが、実際に利用してみた感じでは16GBでも十分です。
Androidアプリをインストールしても基本的にはそこまで容量のあるアプリはないので、大抵のものはインストール可能です。私が利用しているアプリの中でダントツに容量食いのメビウスFFだって4GBくらいなので、入れようと思えば入りますし、実際に試しみたら普通にプレイできました。
なので、32GBにして価格が高くなるくらいなら16GBで販売しようという戦略なのだと思います。
総評
なんだかんだ言って、このC101PAは「買い」だと思います。
この価格帯(3~4万円)でサクサク動作する検索マシンが欲しいといったらこの手のChromebookで決まりで、携帯して持ち運びたいといった用途なら、このC101PAが最良でしょう。
危惧していたAndroidアプリもまずまず使えますし、検索やファイルの閲覧といった用途ならスペック的にも十分です。
ROM(ストレージ)が16GBと今どきのスマートフォンと比べても少ないですが、Androidアプリでゲームをしたり、電子書籍でコミックを読み漁ったりしなければ、十分すぎる容量です。
個人的には、Androidアプリの「torne for mobile」が動いてくれると良かったのですが、それもどちらかといえばアプリ側の問題のような気がするので、Chromebookが普及したら使えるようになったりしないかなぁ、と思っています。