Chromium版Edgeが意外と使えたのでメインブラウザにしてみました
Windowsの標準ブラウザにIEやEdgeがありますが、この2つのブラウザはレスポンスが遅かったり、対応していないJavaScriptやCSSの機能があったり、開発時に利用するデベロッパーツールが使いづらかったりと、Windowsの標準ブラウザでなければPCにインストールすらしないレベルのブラウザ達でした。
そんなブラウザでしたが、最近になってEdgeがChromiumベースのものに置き換わったようで、使ってみると意外と良かったので、他のブラウザとの比較や使い勝手について紹介したいと思います。
目次
- Chromium版のEdgeとは
- Chromeのお気に入りや拡張機能をインポート可能
- マルチデバイスでのデータの共有(クロスプラットフォーム対応)
- 開発者ツール
- ベンチマーク比較(Windows 10)
- ベンチマーク比較(MacOS 10.15.5)
- ベンチマーク比較(Android 10)
- ベンチマーク比較(iOS 12.4.7)
- Chromium版Edgeを使ってみた感想
Chromium版のEdgeとは
Chromiumはウェブブラウザのオープンソースプロジェクトで、Google Chromeのオープンソース版という位置づけになり、Google ChromeとChromium、この2つのブラウザにそこまでの違いはなく、Chromiumにいくつかの機能を追加したものがGoogleのChromeという認識です。
Chromium版Edgeとは、このオープンソースのウェブブラウザ「Chromium」をベースとして作成されたブラウザということで、言うなれば、Microsoft版のChromeといったところでしょうか。
Chromiumベースというだけあって、使い勝手や操作感はChromeと同等。軽く触ったレベルでは意外と問題なく使えそうだったので、各ブラウザのベンチマークや使い勝手などを確認してみました。
Chromeのお気に入りや拡張機能をインポート可能
すでに利用しているメインのブラウザから乗り換える際は、ブックマークなどのインポート機能は必須です。大抵のブラウザにはインポート機能が実装されており、Edge(Chromium版)についてもこれは同じ。
ただ、実際にGoogle Chromeからインポートしてみて驚いたのは、ブックマークだけではなく、Chromeの拡張機能のインポートも可能だった点です。
Chromeで使用していた拡張機能がインポートの操作だけで、Edge(Chromium)に追加することができました。
ここはさすがChromiumベースといったところ。
なお、新しく拡張機能をインストールする場合、ChromeのウェブストアからEdgeに追加することが可能です。
Edge(Chromium)でChromeウェブストアにアクセスすると、上部に「Microsoft Edgeに拡張機能を追加できるようになりました」というメッセージが表示されるGoogleの親切ぶりにちょっと驚きますね。
なにかしらのやり取りがあったとは思いますが、利用するユーザーにとっては有益なので、これからもEdge(Chromium)で利用できるようにしてもらうと助かります。
マルチデバイスでのデータの共有(クロスプラットフォーム対応)
Edge(Chromium)はWindowsだけでなく、MacOSやAndroid、iOSにもインストール可能なクロスプラットフォームに対応したブラウザで、アカウントに紐付けたブックマークや拡張機能を他のデバイスのEdgeブラウザと共有することができます。
マルチデバイスでの使い勝手はまさにChromeと一緒といった感じです。
開発者ツール
ベンチマーク比較(Windows 10)
ここからはベンチマークの比較。
使用したベンチマークはOctane 2.0、JetStream 2、Speedometer 2.0の3つ。
検証環境は以下の通りです。
- OS: Windows 10
- CPU: Ryzen 5 3500U
- メモリ: 8GB
確認するブラウザはEdge(Chromium)、Google Chrome、Firefoxとしました。
◆Octane 2.0
◆JetStream 2
◆Speedometer 2.0
結果はまさかのEdge(Chromium版)の大勝利。旧Edgeからは考えられない成績です。試しに別のマシン(スペック的には今回の検証マシンと同等レベル)を使って、旧EdgeでSpeedometer 2.0を実施したら50点台でした。
EdgeというよりはChromiumが優秀、といった方がいいかもしれません。
Google ChromeよりEdge(Chromium版)の方がスコアが高いのは、Google Chromeよりも機能が少ない?ため、Edge(Chromium)の方が速くなっている、という捉え方が合ってそうです。
ベンチマーク比較(MacOS 10.15.5)
続いて、Macでも確認してみました。
使用するベンチマークはWindowsで確認したものと同じで、検証環境は以下の通りです。
- OS: MacOS 10.15.5(Catalina)
- CPU: Core i5-3337U(1.7GHz)
- メモリ: 4GB
確認するブラウザはEdge(Chromium)、Google Chrome、Safari。
◆Octane 2.0
◆JetStream 2
◆Speedometer 2.0
OSがMacの場合、Safari以外のブラウザのスコアはそこまで伸びておらず、Edge(Chromium)とGoogle Chromeについては誤差程度の差しかありません。
Safariだけスコアが飛び抜ているのは、デフォルトブラウザの利点を生かし切れているのかもしれませんが、個人的にSafariは使いづらいので、別のブラウザを使っています。
ベンチマーク比較(Android 10)
Edge(Chromium)はモバイルデバイスにも対応しているので、こちらも確認してみました。
検証環境は以下の通りです。
- OS: Android 10
- 端末: Pixel 3a
確認するブラウザはEdge(Chromium)、Google Chrome、Vivaldi。ベンチマークについては、JetStream 2が時間がかかってなかなか終わらなかったので、Octane 2.0とSpeedometer 2.0のみです。
◆Octane 2.0
◆Speedometer 2.0
AndroidではさすがにChromeの方がスコアが高いです。たまにVivaldiを使っているのですが、こちらはChromeと同等レベル。
ベンチマーク比較(iOS 12.4.7)
最後はiOSでの確認。
iOS端末はiPod touch(第6世代)しか持ってなくて最新のOSでない点に注意してください。
- OS: iOS 12.4.7
- 端末: iPod touch (第6世代)
ベンチマークの結果は以下の通り。
◆Octane 2.0
◆Speedometer 2.0
結果はMacOSと同じようなスコアになっています。
Chromium版Edgeを使ってみた感想
ベンチマークの結果から分かるのは、旧Edgeでは話にならないレベルでしたが、Chromium版Edgeになったことでようやく他のブラウザと戦えるところまできたということです。
実際の操作についてもChromiumベースとなっているだけあって、Chromeとそこまで違いはなく、使っていて微妙に感じる点は今のところありません。
Chromium版Edgeはリリースされてから日が浅いので使い込んでいくうちに問題が出てくるかもしれませんが、軽く触ってみた感触としては、十分、メインブラウザとして活躍できるものに感じました。
Windowsのデフォルトブラウザなので、これなら徐々にブラウザのシェアが上昇するのではないでしょうか。
使用用途がインターネットで検索するくらいなら、Edge(Chromium)とGoogle Chromeの違いは、デフォルトの検索エンジンがBingかGoogleの違いくらいしかないと思います。
とりあえず私はしばらくの間、Edge(Chromium)をメインブラウザにして使い勝手を確認してみたいと思います。